三三株式会社 代表取締役 寺田親弘 社長
年の瀬も押し詰まってまいりました。しかし正月を迎える前に、名刺の整理と年賀状の作成をしなければなりません。年末になると頭の痛いこの問題。名刺の整理と入力ができてしまえば、宛名書きはソフトがあるので、最近は面倒が少なくなりました。ということで残るは名刺の整理整頓。
ところが今年もらった名刺を見ても、
・この人どこで名刺交換した人だったかなあ?
・昇進昇格、配置転換の噂をきいたけど確認したほうがいいかなあ?
・ちゃんとフォローしておけば仕事につながったのになあ。
毎回名刺交換をした後に、名刺管理ソフトに入力しておけばよいのですが、重症の“先延ばし病”である私は、毎年年末に反省と苦痛の日々を送るのです。
私が個人のレベルで反省と苦痛の日々を送るのならいいのですが、これが会社の営業活動となると大問題です。
・どんな関係の深い顧客でも、そのスタートは名刺交換からスタートする。
・顧客の昇進昇格、配置転換を知らなかったら大変に失礼なことになる。
・営業マンとして顧客の新商品、新戦略、組織改革の発表など、顧客情報を見逃すわけにはいかない。
・自分以外にも社内に顧客と挨拶したり、名刺交換したりした人がいれば連携したほうがいい。
などなど、名刺からスタートする顧客との関係は、会社の重大事に発展する可能性があるのです。これに注目し、その解決策を提供してくれるのが、今回お邪魔した三三(さんさん)株式会社です。お忙しい中、寺田親弘(てらだちかひろ)社長にお話を伺いました。
顧客管理のシステムが本質
世の中には顧客管理をうたったソフトがたくさん出ています。しかし、名刺を切り口とした顧客管理のシステムは、三三株式会社が提供している『リンクナレッジ(Link Knowledge)』だけです、と寺田社長。
三三株式会社が提供するこのシステムは、大きくは二つの機能からできているそうです。
一つは、名刺をデータベース化すること。まず、名刺を読み取る機械を貸してくれます。それでもって名刺を読み取るのですが、これは可視化と伝送用で、文字入力は人力で行なっているのだそうです。理由は認識率の問題。名刺の入力は、社名、肩書き、名前を1字も間違えることの許されないすごく厳しい仕事です。顧客の名前を間違えたら大変なことになります。以前と比べて読み取りソフトの認識率が高まったとはいえ、まだまだ限界があります。そこでやはり人力なのです。
もう一つは、この顧客データを活用した顧客管理です。営業活動では一つの法人顧客の中に、何人もの人との関係が生まれます。これを管理してくれるのです。たとえば、名刺交換した法人顧客の組織図。社長、専務、部長、係長、スタッフなど、この法人顧客の誰と当社の誰が付き合っているのかが、一目瞭然で分かるようになるのです。これは便利なものです。効率化にも役立つでしょうし、新しいビジネス提案にも有効でしょう。
また商工リサーチとの提携により、顧客に関連する基本的な情報を得ることもできます。業種、エリア、規模などさまざまな観点から、営業活動に必要な情報を営業マンに提供してくれるのです。これもいちいち調べていたら大変な労力です。営業活動の生産性のアップにつながるはずです。
さらに、顧客に関する関連ニュースの提供もしています。経営戦略、事業展開、人事異動、業績など重要な顧客からの情報発表を、その顧客に関連するニュースに絞って提供してくれるのです。関係のある会社のニュースばかりが、自分のパソコンの画面上に流れるのですから、ちょっとしたMY新聞です。
三三株式会社ではこのようなサービスを提供するシステムを開発し、ネット上で提供しています。
現在このサービスの提供を受けているのは、商社、人材派遣、金融、ITなど多岐にわたっているそうです。業種や業界は関係なく、BtoB(法人対法人)の取引をしている会社であれば、お役に立てると思いますよと寺田社長。あえて言うなら、新規開拓を行なう機会が多い会社は、メリットが大きいかもしれませんとのこと。
将来ビジョンはインフラになること
三三株式会社は設立3年目の会社ですが、営業マン、ソフト開発、サポートなど、すでに従業員は30名ほどいて、取引先も250社になっているそうです。月額1台15,000円の名刺の読み取り機以外は、1つのIDにつき月額6,500円という完全月額方式だそうです。
「当面の目標は『リンクナレッジ(Link Knowledge)』の普及に努め、提供先を1,000社に増やすことです」と寺田社長。そして将来のビジョンとしては日本における顧客管理インフラになることだそうです。
三井物産の出身の寺田社長が、自分も商社時代に大変に困っていたということから生まれたこのビジネスですが、大変に大きな可能性を秘めたものだということが分かりました。名刺交換という小さな行為から、大きな世界が広がっているのです。
名刺を単に集めているだけの会社の皆様、
宛名ラベル作成に利用しているだけの会社の皆様、
顧客の新規開拓をして会社を発展させたい会社の皆様、
顧客との関係をもっと深めたい会社の皆様
三三株式会社に注目です。
◇三三株式会社
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