トップ・ビジネスサポート株式会社 代表取締役 塩原勝美社長
“秋葉原と神田に特化した不動産仲介ビジネスをウェッブで展開中”
千代田区神田淡路町2-3。第1KSビルという名前のビルは1926年に建てられたレトロな感じのシブいビルです。1926年と言えば大正15年、大正天皇が崩御され昭和天皇が即位された年、なんと81年の月日を経て未だ現役で「AKI-KANSTAGE」として活躍しているのです。
千代田区の「景観まちづくり重要物件」、文化庁「有形文化財」にも指定されているこのビルを、淡路町に行かれた方は是非立ち寄ってみて下さい。一見の価値ありです。
このビルを運営しているのが、今回おじゃましたトップ・ビジネスサポート株式会社です。もちろん本社は「AKI-KANSTAGE」の2階です。お忙しい塩原社長にアポを取りまして今回の企業探訪スタートです。
(注:第1KSビルは、2014年解体されました。)
トップ・ビジネスサポートの活動拠点である「AKI-KANSTAGE」は、1階と地下がレンタルスペース「ステージ1926」、3階から5階はSOHOオフィス「ビジネスステージ」です。
レンタルスペースは、会議、セミナー、ギャラリー、プレゼンテーションルームなどに活用可能で、なんとキッチンまでついてます。SOHOオフィスは「秋葉原・神田」を拠点として活躍したい、起業したいというニーズに対応するために提供されています。「秋葉原と神田」これが今回のキーワードです。多くの特徴を持ったこの2つの地区にこだわった不動産仲介ビジネスを展開しているのが、トップ・ビジネスサポート株式会社です。
なぜ、秋葉原・神田にしぼっているのかをお聞きしたところ、昭和40年代、証券会社の神田支店をビジネス人生の振り出しとして、神田駿河台で独立してからも塩原社長のビジネスの拠点はずーっと神田地区なのだそうです。
独立当初、企画・印刷会社としてスタートし今でもトップビジネスサポートの事業の柱のひとつとなっているのですが、創業当初から急成長を遂げたのだそうです。その急成長のさなかに塩原社長は新しく不動産ビジネスにも乗り出します。その理由は以下の3つだそうです。
1.資金調達のため会社の担保力を高めたい。
2.企画・印刷業務いう知的労働集約的なフローで稼ぐ事業の他にストックで稼ぐ事業も展開したい。
3.将来企業の成長を支援するために場を提供していきたい。(AKI-KANSTAGEで実現)
その後も、塩原社長は、昭和末期のビル不況の時代に古いビルのコンバージョン活用として、集客方法まで面倒をみるマンスリーマンション事業をいち早く打ち出したり、どんどん新しい事業を展開してこられました。マンスリーマンションという活用方法はその後さまざまな会社が取り組んで、ビル活用の大きな一つの分野となっています。マンスリーマンションが広まりすぎた現在、次なる作戦は「ゲストハウス」としての活用だそうです。
今回は、紙面の都合で紹介できませんが、トップ・ビジネスサポート株式会社ではいろいろな事業を並行して進めていらっしゃいます。経営コンサルタントでもある塩原社長の信条の一つ、「真の経営力とは企業環境変化への適応力である」をまさに自社でも実践されてきているのです。
このサイトは、みなさまご存知の大沸騰中の秋葉原地区、そして書籍、学校、スポーツ、音楽など「知」の集積した神田地区という2つの地区に特化しています。これまでの不動産仲介ビジネスというと駅前の雑居ビルに事務所があって、物件のリストが窓一面にペタペタ貼ってあって、口のうまい営業マンがしつこくつきまとってというイメージですが、トップビジネスサポート株式会社ではウェッブで戦うと決めて作戦を展開中なのだそうです。
もちろん大手の不動産会社もウェッブは展開していますが、秋葉原・神田地区だけに特化するというのは大手ではできません。秋葉原・神田地区で長年活動しているからこそ得られる情報と調査員が足で集めた最新情報を盛り込み、そこに活動拠点としての不動産情報を提供していくという作戦です。つくばエクスプレスが開通として筑波と秋葉原が近くなった時、筑波の人たちと懇談している中で、秋葉原に拠点を出したいけれどどこに出したらいいか分からないという筑波の人たちの話を聞き、移動時間は短くなったけれど、情報の距離は縮まっていないと感じ、今回のサイトの発想を思いついたのだそうです。是非秋葉原・神田地区に拠点を構えたいという方はサイトをご覧になってみて下さい。
Weekly News
おとなのアキバ
まち・ひとSTAGE
aki-kan路上観察
起業・アドバイザー便り
地域情報
など楽しそうな情報が盛りだくさんです。今回の起業探訪ではいろんな話をおうかがいしましたが、塩原社長の経営にはつぎの6つの特徴があると感じました。
経営環境の変化を読み、すばやく手を打つ。
なによりもまずマーケット・ニーズを優先する。
自社の経営資源を冷静に判断し絞り込んだ手を打つ。
他社や行政を頼らず自助努力で業績を上げる。
考えているだけでなく実践する。
社員一人一人の役割を明確にして少数精鋭で経営する。
以上の6つの考え方は、どんな業種・業態にも通じる経営者としての心得だと思います。
もっとお話をお聞きしたかったのですが、塩原社長には次の予定があるので時間切れです。
今日もまた私としてはとっても勉強になる企業探訪でした。
◇トップ・ビジネスサポート株式会社
http://www.top-bs.co.jp/