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中村理科工業株式会社(現:株式会社ナリカ) 中村久良 社長

理科器具を通じて子供の知的好奇心を育成するlegwork_noimage

子供は実験が大好き

 みなさん、子供の頃学校で楽しみだった授業といえば何だったでしょうか?
私の場合は図工と体育(水泳を除く)です。教室での理科はあまり好きではありませんでしたが、ある時だけは別でした。それは理科室での実験の時です。
 生物、化学、物理など理科の授業に実験はつきものでして、実験をとおして子供は理科が好きになっていきました。

 子供は実験が好きですからねえ。私は特に化学系の実験が好きだったなあ。
 現在私の家では子供たちが6年生と5年生ですので、ちょうどその年齢です。
 この理科の実験器具を専門に扱っているのが今回おじゃました中村理科工業株式会社です。

理科実験器具一筋でもうすぐ90年

 中村社長にお会いをすべく朝9:30に自転車に乗って財団を出発です。文京区と千代田区の境界に近い外神田に中村理科工業(株)はあります。10時5分前に会社に到着。自社ビルの1階は実験器具や面白体験のできる実験セットを売っているお店になっています。ハロウィンのカッコをさせられた人体骨格模型が飾ってあったりなんかして、外から見ただけでわくわくしてきます。中村社長へのインタビューが終わったら1階のお店に寄ろうとすぐに決意しました。

 中村理科工業(株)の業種はなんですかとお聞きすると教育用理科実験器具卸だそうです。同業といえば内田洋行、学研など日本に6社ほどしかなく、理科機器の専業としては、中村理科工業(株)だけのようです。卸売業ですが、商品のアイデア・企画・開発は中村理科工業(株)の開発スタッフが行って、製造は協力会社に依頼しているのだそうです。

 中村社長のお父さんである初代中村久助社長がこの方式を始めたのだそうですが、今でいうファブレス企業です。そのお父さんが中村理化器械店を創設したのが 1918年です。1918年というのは第一次世界大戦が終了し、戦争景気のインフレで全国各地で米騒動の起こった年です。あと2年で90周年を迎える歴史ある企業なのです。

 中村理科工業の直接のお客さんは学校に納品している販売店でして、最終のユーザーは学校の先生と子供たちということになります。販売店数は約500社、日本だけでなくアメリカにも代理店があります。実は中村理科工業の売上げの1割ぐらいは輸出なのです。

 アメリカ、EU、台湾など世界に理科教材を供給しています。日本の教材が全世界でも使われるんですねと驚いたのですが、「サイエンスは全世界同じである」という社長のシブい一言で納得しました。

 商品はものすごく幅広いので、ぶ厚いカタログになっています。器具や備品が中心の総合カタログと消耗品のカタログがあります。両方合わせると1,300ページになろうかというボリュームです。
 このカタログが営業マンとなって学校の先生方のもとに届くのです。
 大学や専門学校用の高度なものもありますが、理科の実験室に置いてあった器具や材料なども載っていて楽しくなります。

 業界の動向は?とお聞きするとやはり少しづつであるが「理科離れ」が進んでいるのだそうです。理科は実験が多く、実験というのは準備も後かたづけも大変で予算もかかるためもっとやりたいと思っても現場の先生方もなかなか手が回らないのだそうです。

 実験の少ない理科の授業ってやっぱり魅力が薄れますよね。これも理科離れの原因の一つじゃないかと思われます。ただこれは最近だけの状況ではなくて、戦後の大きな流れのようです。日本政府も科学技術立国を目指すとうことで旗を振っているのですが、教育の現場ではなかなか実現が難しいようです。

経営計画書が会社の中心

 中村理科工業の経営上の特色は何ですか?とお聞きしたところ、それは社長のつくる経営計画書にあるようです。中村社長は約20年ほど前から社長指導の第一人者である一倉定先生の指導を受け、それを経営計画書という形で表現し、日々それを実行していく中で会社の基盤をつくって来たのです。経営計画書は100ページ以上におよび、社長としての決意から始まって経営理念、経営目標、経営方針が具体的に示されています。毎日少しづつ輪読され、社員に浸透していくようになっています。

 経営計画書は経営の方針を示すだけでなく、社員教育のテキストにもなっているのです。
 特に社員どうしがギスギスせず、機嫌良く楽しく働いてもらう環境をつくることが大事だとおっしゃいます。日本全国にちらばっている社員の懇親を目的として社員とその家族全員を東京に集めてのバーベキュー大会を毎年行っているとのことでした。社員の子供たちが毎年大きくなっていくのを見られるのはほんとに楽しいものですよと中村社長はおっしゃいます。

 社員の全員を巻き込んだ「全員経営」を目指すため、青山大学大学院の吉田教授よりの指導によりCDGM(Creative Dynamic Group Method)というチーム活動を1999年の1月から今日まで継続して行っています。
 従来のTQC活動と一見似ていますが、現実は「似て非なるもの」で、より自由度の高い活動だそうです。テーマは本当に幅広く、商品開発から業務改善、在庫管理、代金回収、社内のコミュニケーションの改善や福利厚生など取り組みたいテーマを掲げ、メンバーは「この指止まれ」でそれに関心のある人が参加するのだそうです。
 この活動の中から新規事業も生まれたり、社内の活性化に役だっているのだそうです。
 活動の頻度はチームによって月1回から4回程度、チームが集まっての発表会は月1回行われています。

 最後に、あと2年で90周年、あと12年たてば100周年ですが、そこに向けて中村理科工業はどうなっていくのかをお聞きしました。

 やはり理科という事業領域でやっていくことは間違いないが、ITの関連するような理科周辺商品は積極的に働きかけ、提案して行きたい。また小学校、中学校、高校だけでなく、幼稚園や保育園にも入っていって、科学の面白さ、科学の重要性を認識してくれる手助けができればいいなあというのが、中村社長の考えのようです。

 確かに子供たちを対象にした企画やイベントを盛んに行っておられますし、1階の店舗も自由研究の時期になると子供たちがたくさん来店するようです。

 秋葉原、神田に行ったら是非寄ってみて下さい。きっとドキドキ、ワクワクの実験セットに巡り会えますよ。実験セットは通販もやってます。気になる方はホームページでご覧下さい。

 

◇中村理科工業株式会社(現:(株)ナリカ)
http://www.narika.jp/