株式会社新産業文化創出研究所 廣常啓一 社長
千代田区には日本中に知られている有名な地区がなん箇所もありますが、世界中に知られているということになるとさすがにそう多くはありません。しかし、秋葉原は世界的知名度を持った街でして、外国人の観光客のほとんどは秋葉原に行きたがります。そして買いたがります。この数年は大規模開発やつくばエクスプレスの開通もあって、最先端で沸騰しているのが秋葉原です。
この秋葉原の再開発も大詰めに来ておりまして、今年の3月にオフィスビル「秋葉原UDX」がオープンし、先にできた秋葉原ダイビルと合わせて「秋葉原クロスフィールド」の完成です。秋葉原UDXには1階~3階にレストランが集まっていて、その一つ上、4階に「東京フードシアター5+1」というレストランがあります。
このレストランをプロデュースしているのが、今回おじゃました株式会社新産業文化創出研究所の廣常社長です。
気合いの社名
ところでこの会社の社名は正々堂々すごい気合が入ってますよね。新しい産業と文化を創出し研究しちゃうというのですから。この社名をつけた社長ってどんな人かなあとワクワクしながらの訪問スタートです。
株式会社新産業文化創出研究所がやっている「東京フードシアター5+1」は食とITを融合した日本で最先端のレストランです。食の素人でありITの素人である私が理解できるだけでも次のような最先端技術が仕込まれています。
(1)5つのキッチンはオープンで一流シェフのライブのようでカッコいい
(2)キッチンの電化調理機器はメーカーとタイアップして最先端
(3)調理のレシピはデジタル化され、知的財産として蓄積
(4)食の安全のためのトレーサビリティーもデジタル管理
(5)ホールスタッフは情報端末(IRM)を使ってお客さんへ料理の説明
(6)お客さんの健康管理まで踏み込んだドクターズ・キッチン
(7)東京のビルの屋上で栽培した超新鮮野菜を提供
(8)蓄積されたデジタル・ノウハウは家電やネットを通じて家庭へ展開
などなど、まだまだ最先端の仕掛けはあるようですが、これは一言でいうと「デジタルキッチン」というコンセプトでまとめられるようです。もちろん、これらの仕掛けが全部完成しているわけではなくて、実験段階、研究段階のものもあります。
掛け算(×)の実験企業
よくよく聞いてみると廣野社長のやっている仕事は、ビジネスの掛け算(×)だなあと感じました。
既存のビジネス×新しい技術=新産業の創造
新しい技術というのはITも含めて非常に幅の広い先端技術や新しい考え方を含んでいます。ただし、普通と違うのは最先端の幅が広く、なおかつ深い。しかも掛け算の数が多いのです。
「既存のビジネス×新しい技術×新しい考え方×・・・=すごい新産業」ってな具合でしょうか。さきほど説明した「デジタルキッチンプロジェクト」だけでも最先端がてんこ盛りでしょ。思いもよらぬさまざまな掛け算で新しい産業をどんどん生み出していくビジネス・プロデューサー、それが廣野社長の率いる(株)新産業文化創出研究所です。
スタッフの皆さんもそれぞれの分野のすごい技術を持った方々が集まっています。名刺交換をすると分かります。
最先端の技術実験というとどちらかというと市場のことが忘れられてしまうことが多いのですが、(株)新産業文化創出研究所のプロジェクトはそれぞれ市場が明確です。デジタル・キッチンは外食、給食、調理器、放送通信という市場への実験、ドクターズキッチンは消費者と偉業業界向けの実験といった具合です。あくまでも産業創出を意識しているわけです。
3D(立体映像)もすごいぞ
(株)新産業文化創出研究所の研究テーマは食だけではありません。大きく次の5つの分野の産業文化研究に広がっているそうです。それぞれの分野がタテ・ヨコ・ナナメにつながっていていろんなプロジェクトが動いています。残念ながら私には複雑すぎて全体を説明できません。
(1)新食系
(2)情報家電ホームネットワーク
(3)医療・健康・美容・福祉
(4)エンタテイメント・教育・広告・コミュニケーション
(5)先端メディア
5つめの先端メディア関連では3D(立体映像)メディアプロジェクトなんかは相当すごいです。意外に思われるかもしれませんが、秋葉原には本格的な大型シアターがなかったのです。
そこで株式会社新産業文化創出研究所ではアキバ3Dシアター&スタジオを作っちゃった。3Dシアターは200名以上入れる最新鋭の本格的なものでして、さまざまな映像や音響の実験ができるようになっています。機材だけが最新鋭なんじゃなくて、デジタルハリウッドと提携して技術者育成のための「秋葉原先端アカデミー」というプロジェクトもすでにスタートしています。しっかり最先端人材の育成もやっているのです。
現在は秋葉原を拠点として活動している(株)新産業文化創出研究所ですが、大阪、名古屋、九州など日本全国に実験の場が広がってきています。大都市だけでなくいろんな地方から、ウチの地域でも何かできないかという問い合わせが殺到しているそうです。国内外からの見学申し込みも多くてその対応も大変なんだそうです。
最先端にふれたかったら秋葉原に行きましょう
ここ数年の秋葉原は本当に変貌をとげています。さまざまな施設ができただけでなく、歩いている人、街の看板、色、においなど文章ではお伝えできないところが多すぎます。ということで、是非一度秋葉原に行ってみて下さい。
そしてその際には秋葉原UDXにも行って最先端技術に触れてみて下さい。必ず自分のビジネスに関連するワクワクドキドキの何かが発見できるはずです。個人的には写真からその場で立体フィギィアをつくれる切削マシンにはびっくりしましたね。映画やアニメにでてくる人物の立体模型がすぐにつくれてしまうんです。自分の顔のフィギィアだってすぐに出来ちゃうんですよ。まあそんな趣味の人はあんまりいないとおもいますけど。
みなさん、最先端にふれたかったら秋葉原に行きましょう。
◇株式会社新産業文化創出研究所
http://www.icic.jp/