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阪神・淡路大震災被災企業からの教訓(part2)

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 前回に引き続き、3月16日(木)東京商工会議所千代田支部の阪神・淡路震災復旧対策視察会に参加し、神戸市にある3社から10年前の経験をお聞きしたのでその報告をします。

情報処理サービスとしての対策/さくらケーシーエス

 つぎに株式会社さくらケーシーエス山田祐次マネージャからのお話。
 さくらケーシーエスの当時の業務の中心は大型コンピューターを使った情報処理サービス。
情報処理センターは耐震構造で建物自体は無事だったようですが、装置、ラック、保管庫などが転倒。社員の安否確認ができたのは3日後だったそうです。
 お客様から受託した業務を止めると、お客さんの業務事自体もとまってしまうということで、各種装置の動作確認や修理など地震発生直後から社員の方々の不眠不休の活動の結果2週間後には通常業務を行なえる体制まで回復。すごいスピードです。
 さくらケーシーエスでは震災からの経験をもとに対策を着実に推し進め、

(1)機器の転倒・傾斜防止
(2)電力の自家発電
(3)断水対応として空冷式空調導入
(4)DISK保管場所変更
(5)非常食確保
(6)優先順位を明確にした緊急事態発生時の現場対応プラン作成
(7)社員の連絡体制の整備
(8)普段からの定期訓練

など情報処理会社特有の対策も含めて取り組んでもおられるとのこと。一般的な防災対策だけでなく、企業の場合にはそれぞれの業務の特性に応じた対策、特に復旧時に必要となる対策の必要性を教えて頂きました。

地域と企業のつながり/三ツ星ベルト

 最後に三ツ星ベルト株式会社の西徹部長からのお話。
「人を想い、地球を想う」という経営理念が、震災という異常事態の中でもっとも効果的に発揮されたという事例です。

(1)住民と連携して火災の延焼を止める
(2)三ツ星ベルトの体育館を避難所として開放

 三ツ星ベルトのある神戸市長田区の真野地区は中小工場が密集し、一般家屋も多い地区であり、震災による火災でもっとも被害を受けた地区です。地震直後に夜勤社員60名で急遽結成した「自衛消防隊」はどれほど多くの人を救ったか分かりません。
 しかもこれらは震災の発生の際に現場にいた現場の社員の方々の判断で行なわれたものなのであり、地域の人たちと顔見知りだったからこそすぐに決断、実行できたことです。

「大事なことは普段から住民と企業が結びついていることだ」
と西部長はおっしゃいます。三ツ星ベルトは伝動ベルト、搬送ベルト、防水シートなどを製造・販売する国際的なメーカーで、消費者に直接販売する事業ではありません。しかし、西河社長の先に上げた基本理念、そして「住民と企業が共生するまちづくり」という合言葉の実践への執念は強く、真野地区へのまちづくりへの参加は真野地区の復興へ大きな力となったようです。
 ひとつだけその事例を紹介しますと震災発生が1995年ですが、その3年前1992年三ツ星ベルトは工場・研究所を残して本社は神戸の新たな中心地区ハーバーランドに移転していたのです。当時は真野地区には中小工場などが集積し、町の活気がありましたので三ツ星ベルト本社の移転はあまり影響がなかった。しかし震災で壊滅。そして1999年、「真野地区のまちづくり推進会」から本社を再び真野地区に戻して復興に力を貸して欲しいという要望が届けられたのです。

 企業としての短期的なデメリットは明らかで、相当な議論があったようですが、三ツ星ベルト西川社長は現場を詳細に視察し、本社を創業の地である真野地区に移転させることを決断、 2000年11月に実行したのです。最近は神戸市内の学校を中心にビオトープ運動を支援したり、事業所のある京都府綾部市や香川県讃岐市と真野地区との交流企画などを推進したりと、ますます地域との活動も広がっているようです。

◇株式会社さくらケーシーエス
http://www.kcs.co.jp/
◇三ツ星ベルト株式会社
http://www.mitsuboshi.co.jp/