阪神・淡路大震災被災企業からの教訓(part1)
今回の企業訪問は少々いつもと違いまして、神戸市にある3社から10年前の経験をお聞きしたのでその報告をします。とても大事なテーマだと考えていますので2週連続で報告いたします!
神戸、そして10年前と聞いてピンと人もいると思いますが、6,400余名が亡くなり、倒壊建物25万棟、火災による全半焼7500棟、避難者数31万人という未曾有の被害をもたらした阪神淡路大震災を体験した会社の経験をお聞きしました。
忘れかけていた貴重な教訓/人と防災未来センター
3月16日(木)東京商工会議所千代田支部の阪神・淡路震災復旧対策視察会に参加し、できたばかりの神戸空港へ出発。12:45に到着。
今回の目玉である神戸商工会議所の3社と懇談の前に、「人と防災未来センター」をまずは見学。このセンターで受けた参加者の衝撃はすさまじく、映像、音、震災資料、語り部の方々のお話などで震災の恐ろしさを改めて実感。
正直震災から10年たってその貴重な教訓を忘れかけていたことを深く反省。地震国日本に住んでいる人は全員がこのセンターには一度は立ち寄って、多くの人命と生活を奪いとった震災を思い出し、少しでもその対策に動き出すべきだと感じました。
2.5ヶ月で高炉を再開/神戸製鋼所
あまりの衝撃で少々しょんぼりしながら、神戸商工会議所に移動していよいよ3社の皆様と懇談会がスタートしました。
まず1社目は株式会社神戸製鋼所の井川昇環境エネルギー部課長からの説明がスタート。
神戸製鋼所といえば神戸を代表する企業です。神戸に本社と製鉄所を持つ神戸製鋼所の被害はなんと 1,020億円。
会社の規模が大きいだけに被害もけた違いに大きく、神戸の中心部にある本社ビルは瞬時で1階がつぶれ危険な建物として立ち入り禁止、神戸製鉄所の設備もめちゃくちゃになり高炉停止。12,000名の社員うち、命を失った方が3名、自宅が全壊または半壊した人が2割もいたということです。
しかしその後の神戸製鉄所の皆さんの復興の活動は力強く、NHKのプロジェクトXでも取り上げられたように高炉は4月2日、地震発生から2.5ヶ月という驚異的スピードで再開。また、防災と環境に配慮した新しいスタイルの都市型発電所の立ち上げ、HAT神戸、ウイングスタジアム、さらには神戸空港といった大型プロジェクトを次々と推進し完全復興を成し遂げられました。
そして防災の対策もさまざま実行されておられますが、特に本社が耐震ビルでなく壊滅したために本社機能が全く失われたという反省から特に全国にある事業所の耐震診断は綿密に行なっておられるということでした。
次回、残り2社のレポートを報告します。お楽しみに!
◇人と防災未来センター
http://www.dri.ne.jp/
◇株式会社神戸製鋼所
http://www.kobelco.co.jp/