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エフルート株式会社 取締役副社長兼COO 尾下順治氏

legwork_noimage「モバイルをメディアの主役にする」

 突然ですが皆さんの身の回りで24時間手を伸ばせば届く存在はなんでしょう?人によっていろいろあると思います。アクセサリー、手帳、財布、薬、入れ歯などなど・・・私の場合は“メガネと携帯電話”です。この2つは起きている間、1時間でもなくなると、私にとっては相当面倒なことになります。それぐらいメガネと携帯電話にはお世話になっております。最近は当たり前すぎて感謝が薄れておりますが(笑)。

本日おじゃましたのは、たぶん多くの皆さんが24時間いつも身近に置いている携帯電話=モバイルを、メディアの主役にするという挑戦を続けるエフルート株式会社の取締役副社長兼COO(chief operating officer 最高執行責任者)尾下順治氏です。

尾下COOのお話によると、2007年10月末のモバイルインターネット契約台数がなんと8,678万台、さらにその中で定額制プラン契約者が3,000万人もいるんだそうです。この定額制3,000万人というのがポイントです。多くの人が定額制に申し込んだとたんに、一気にケータイでのインターネット活用が増える。いわゆるモバイルネットの世界がどんどん拡大していくのだそうです。尾下COOによればモバイルネットのビジネスには3つの方向があるといいます。

1.有料コンテンツビジネス
着メロ、電子書籍、ゲーム、占いなどだいぶ増えて来ました。私の場合は最近電車の中でケータイ小説をよく読んでいます。市場規模は2006年3,600億円程度だそうです。

2.モバイルEC(electronic commerce 電子商取引)
衣料、アクセサリー、書籍、CD、チケットの販売などで最近は株の取引も増えているのだそうです。これは市場規模が大きくて5,000億円。

3.広告ビジネス
バナー広告やアフリエイト広告などでして、市場規模は390億円程度。このように拡大するネット市場の中で、エフルート(株)ではモバイルに特化し、
•モバイルをメディアの主役にする
•モバイルでもっとも信頼できるメディアをつくる
というコンセプトのもと、さまざまな事業を展開されています。

 エフルート(株)の事業の中で、まず私たちに一番身近なのはモバイル検索ポータル。 “froute.jp/エフルート”というモバイル用の検索サイトを運営しています。DoCoMo iメニューの検索ランキングでなんと第3位。すごい。ちなみに第1位はYahoo!モバイル、第2位はGoogleモバイルです。エフルートはモバイルの分野で、この検索界の両巨頭を脅かす位置まできているのです。

 エフルートの検索はどこがいいんですか?とお聞きしたところ、ズバリ“心地良い”のだそうです。ユーザーが必要な情報を効率的に“心地良く”探し出せるための工夫を努力してきたとのこと。PCは仕事の道具ですが、モバイルは生活の道具なので、生活者としてのユーザーニーズに焦点を合わせ、ユーザーが検索結果に参加する仕組みがあるのだそうです。みなさまも一度今、隣に座っている人にケータイを借りて、自分のケータイでエフルート、隣の人のケータイでYahoo!かGoogleで同じキーワードで検索してみて下さい。違いが分かると思います。

 いつごろ両巨頭を追い越せますかね?と少々意地の悪い質問をしたのですが、これもズバリ“今の10代が社会の中心になった時です”とのこと。これには十分理由がありまして、今の10代の若者たちのほとんどは初めて持ったメールアドレスがケータイなのです。つまりケータイが“主”でPCが“従”。このような人が社会の中心となる時代になれば、エフルートの時代がやってくると。楽しみです。

 2つ目の事業は“focus/フォーカス”という広告サービス。コンテンツ連動型広告をモバイルで展開しています。ユーザーが見ているページの内容を瞬時に解析して、内容に合致している広告を自動的に掲載するサービスです。ページの内容に合致しているので、見ているユーザーの広告に対するストレスは少なくなるわけです。私自身もそうですが、ページの内容とは全く関係のない消費者金融や有害サイトの広告が表示されて非常にイヤな感じを受けている方も多いと思います。モバイル社会でできるだけストレスのない広告を展開していこうという、エフルートの考え方に基づいた事業です。

 3つめの事業の柱がコンテンツメディア事業です。
(1)電子書籍、デコメール素材などのエンターテイメント
(2)着うた(R)、着メロ(R)などの音楽コンテンツ
(3)ファッションを中心としたショッピングサイト
などコンテンツホルダーと提携し、通信キャリアの公式メニュー上で50以上の課金コンテンツ事業を展開しています。この事業においても配信のプラットフォームとしてエフルートが大きな威力を発揮しています。

 猛烈な情報化社会の中で、我々ユーザーの情報操作への不信感は非常に高まっています。一言で言えば、何を信用していいのか分からない。そこで我々ユーザーのために信頼できる情報を一括して管理してくれる仲介者が必要とされていると言われています。そのようなポジションをエフルートは目指しているようです。

 創業以来千代田区に拠点を構えているエフルート(株)ですが、その副社長兼COOである尾下順治氏はベンチャーキャピタル出身で、机2つのからエフルートを立ち上げてきました。ベンチャー企業を支援する立場から、自らベンチャー企業を立ち上げる当事者になったわけです。一般的な中小企業とは一線を画し、ベンチャー企業として“世の中が気づいていない新しい社会的価値”を見つけたいという気合いでエフルートのマネジメントを行っているのだそうです。モバイルに特化し、モバイルで最も信頼できるメディアを作るため日々挑戦し成長するエフルート(株)でした。