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株式会社ナチュラルアート 代表取締役 鈴木誠 社長

農畜産物は自然が生み出す芸術作品ですlegwork_noimage

 総務省が5年に1度行う事業所・企業統計調査には市町村単位に業種別の事業所数が集計されています。7月に速報が公表された平成18年度の千代田区の業種別の事業所件数を調べておりましら、なんと千代田区に農業で登録している事業所が2件あるというのです。千代田区で農業?びっくりですよね。これは調べるしかありません。早速インターネットで調査したところ、株式会社ナチュラルアートにたどり着きました。事業活動の内容を調べてその活動に再びびっくり。早速株式会社ナチュラルアートの鈴木社長にご連絡し、取材のご快諾を頂きました。

 皇居にほど近い閑静な千代田区一番町のビルに(株)ナチュラルアートはあります。日本の中心の中心です。鈴木社長はここに本社をおいてほんとうに良かったとおっしゃいます。それはなぜか?(株)ナチュラルアートのグループ会社や取引先といった地方の皆さんとって、東京の中心である皇居に近いというのは、非常に新鮮でなおかつ分かりやすくそして安心なのだそうです。“やっぱり千代田区はいいですねえ”というお褒めの言葉を頂き、気持ちよく企業探訪スタートです。

全国の生産者が集まってできた会社

 (株)ナチュラルアートは、全国の農業生産者が集まって農業をやっている会社です。農畜産物の生産と販売です。設立は2003年、今年でまる5年が経過しています。本社は先に述べた千代田区一番町。農畜産物を生産する全国のグループ子会社は北海道から沖縄まで現在15社。売上高はグループ全体で100億円、従業員は約400名だそうです。本社を商社機能として持ち、全国各地のヤル気のあるプロの生産者が集まってできたのが、(株)ナチュラルアートなのです。

 まずは、農業の現状を超簡単に鈴木社長にお伺いしました。鈴木社長によると、世界は食糧危機の状態にあるといいます。世界の60億人のうち10億人が飢餓状態、18億人は安全な水が飲めない状態にあるのだそうです。わが国日本は水は良いのですが、食料の自給率は非常に低く直近の調査では39%。先進国の中で圧倒的に低い状態です。世界中で食料が取り合い戦の状態となっており、ここ数年は中国が参戦し、原材料の値上がりが続いているのはその影響です。今年の後半には食品メーカーが相次いで製品の値上げを発表し、我々の生活にも直接影響がでてきています。

 この傾向は将来もっと厳しくなるだろうという見通しです。現在国内の農産物の生産高は8兆2000億円ですが、5年前には9兆9000億円あったのです。現在のような調子で国内の農業生産が衰退していけば、5兆円を割ることがあっても不思議ではないそうで、食品の海外依存度は益々高まるという見通しです。食品の流通業者はたくさんいるのですが、肝心の生産者がどんどん減っているのです。

 しかし!暗い話ばかりではありません。農業先進国といわれる国との交流が相当進んできていて、安全やおいしさといった品質面、単位あたりの生産量、ブランド化、種や苗などの技術など積極的に導入が進んでいるのです。青森のりんごや鳥取のなしなど、世界一流のものも既にいくつかありますが、まだまだ世界各国から学ぶべきことがたくさんあるのだそうです。鈴木社長によればイギリスも食糧自給率40%という時代があり、その後民間と国との協力で現在は80%まで回復してきているのだそうです。日本もやってできないことはない!農業先進国に追いつけ追い越せ!そして国内に安心できる食品を安定的に供したい!そのリード役となっていきたい!というのが(株)ナチュラルアート鈴木社長の熱い思いです。

必要とされる経営基盤

 そんなことで日本のヤル気のある生産者の農業技術は日々高まっていますが、鈴木社長はもう一つ必要なものがあるといいます。それは生産者の経営基盤です。300万人の農家の中で99%がいわゆる零細な家業・生業です。流通市場が大きく変わる中、経営力のある生産者が求められているのです。

 零細な農家が強力な流通業者を相手に普通に商談を進めるというのは無理な話です。やはり大規模生産、全国組織が必要とされるのです。(株)ナチュラルアートが全国の意識の高い生産者とネットワークを組んでグループを形成している意義の一つが、ここにあると思われます。銀行でベンチャー企業の指導や上場支援などに取り組んできた鈴木社長。農業生産も組織活動であり、生産機能だけでなくマーケティング機能、金融財務機能、組織人事機能、IT機能そして何よりも重要なマネジメント機能を、グループ内の各生産者に鈴木社長は伝道しているのだと感じました。

具体的には(株)ナチュラルアートは商社機能を持ち、顧客に農畜産物を販売しています。(1)レストランチェーンなど外食産業、(2)スーパーなど量販店、(3)店舗や通販などを通じての個人、という農産物の卸売機能を持つ、生産者グループなのです。グループ化し全国展開することで、商品の偏りを少なくし(多品種・多品目)、マーケットニーズに幅広く対応できる体制もできています。たとえば、どれほどおいしいトマトでも、毎日トマトだけを食べて過ごすわけにはいかないわけで、ある程度の品揃えがなければマーケットで相手にされないのです。

これからの(株)ナチュラルアート

 取扱商品の拡大やグループ会社の拡大・成長はもちろんのことだと思いますが、それ以外に鈴木社長がこれからやりたいことをお聞ききしました。

(1)都心で焼肉屋か惣菜屋
 現在、千代田区一番町(なちゅらる・あーと)と千葉の柏市(農場レストラン六素)に直営の店舗がありますが、次は都心に焼肉屋か惣菜屋をオープンし、グループ内で生産したものを直接都心の皆様に食べてほしいとのこと。注)どこかいい場所ないかなあ?

(2)クラインガルテンの運営
 クラインガルテンはドイツで始まった農地の賃借制度で、都市部の市民が野菜や果実、草花などを育てられ農業に親しむことができるのだそうです。都市部市民の老後の生きがいや楽しみという面だけでなく、都市部の緑地保全や子供たちの教育にも非常に効果を上げているのだそうです。行政でクラインガルテンをヤル気があればその運営をなど引き受けて行きたいとのこと。

 どんどん成長している(株)ナチュラルアートですが、競合はありますか?とお聞きしたこころ、現在はないですよとのこと。“食産業の健全な発展に貢献することを通し、社会に広く貢献する”という高い志と周到な事業戦略で農業、そしてその周辺の新しい分野を開拓していくベンチャースピリットあふれる(株)ナチュラルアートでした。