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さわかみ投信株式会社 代表取締役 澤上篤人社長

「日本初、直接販売の独立系投資信託の会社」legwork_noimage

 千代田区で活躍しているキラリと光る優良企業を紹介するこの「企業探訪」が始まって以来、初めての金融機関です。しかも100年に一度と言われるこの大不況期。登場していただくのは、個人向けの長期投資で有名な、さわかみ投信株式会社の澤上篤人(さわかみあつと)社長です。投資家から集めた資金を1つにまとめ、運用のプロが株式や債券などで運用し、運用成果に応じて収益を分配するという投資信託の会社です。
 金融には素人の私でも株式が大暴落して金融機関がひどい目にあっているのは知っています。ところが、こんなご時勢でもさわかみ投信では顧客は増え、株式もどんどん買い進めているといいます。いったいどんなカラクリなのか?インタビューのスタートです。

さわかみ投信とは?

 澤上社長はこれまで38年にもわたりずっと金融の世界、特に“長期投資”の世界で活躍されてきたプロ中のプロです。さわかみファンドをスタートしてから10年。運用資産1600億円強、投資家12万人という国内有数のファンドに育て上げました。
 そのプロに対して私がたずねたのはズバリ、「なんでこんなファンド作ったんですか?」というそもそもの質問。澤上社長はこんな素人丸出しの質問にも嫌な顔をせず、それには理由が二つありますと。
 一つめは、まじめに働く生活者がまじめに働くだけでは豊かさを維持できない成熟社会で、お金にも働いてもらうことが必要であり、その場を作りたかったということ。日本経済が右肩上がりの成長を続けていた段階では、まじめに働けば給料は上がり続け、貯金を続けていけば豊かな老後生活を送ることができました。しかし、現在は社会・経済が成熟化し、まじめに働いても給料は増えず、場合によっては減る可能性も出てきました。このような成熟社会では自分もまじめに働くが、自分のお金にも頑張って働いてもらわないと豊かになれないと澤上社長は言います。
その具体的手法が長期投資です。自分のお金をまじめに増やして行きたいという期待に応えたい、というのがさわかみファンドの目的なのです。販売手数料ゼロ、信託報酬1.05%と普通の生活者が少額でも安い費用で、さわかみファンドに参加できるようになっています。
 もう一つの理由は、産業育成という国家目的を追求することを最優先させた金融システムから一歩はなれて、普通の人が自分で考えて自分で投資できる場を作りたかったということです。普通の人が金融機関にお金を預ける、預けられたお金は金融機関を通じて企業に融資される、企業はそのお金を使って繁栄するが、最初に預けた普通の人はちょっぴりの金利だけで我慢する。これがいままでの日本の金融の流れです。
これに対して普通の人を主役にしたいというのが澤上社長の考え方。とは言っても普通の人が個別の株式に投資するには金額も大きいし、リスクも高い。そこでさわかみファンドの登場ということになるわけです。ですから、さわかみファンドは直販です。直接さわかみファンドの考え方に賛同していただいた人だけに投資していただければいいと、澤上社長は言い切ります。

いまや麹町地区は直販投信のメッカ

 澤上社長によれば、現在のように株式相場が暴落している時期は、みんな不況だ不況だといって本来はこんなにも下がらないはずの株式までもが安値になっている。本当によい企業を見極め、がんばって欲しいという応援の意味で投資し、それが長期でみると大きなリターンを生むことになるので、現在でも冷静に粛々と買ってますよとのこと。38年の長期投資の経験を持ち、不況を幾度となく乗り切ってきた澤上社長の言葉ですから説得力十分です。
 10年前に487名、16億円でスタートしたさわかみ投信ですが、澤上社長のこの考え方に賛同する人がどんどん増えて現在約12万人、1600億円という規模になってきているのです。さらにさわかみ投信株式会社には、ファンドに投資したいという人だけでなく、これまでの資金運用ビジネスに疑問を持つ人が集まってきているそうです。税理士、ファイナンシャルプランナー、教師、労働組合幹部などです。そのような人たちに自分でファンドを立ち上げたらどうですか?というアドバイスをすることもあり、「おらが町の投信プロジェクト」が動き出しています。みなさんの努力が実ってこの1年で、一挙に4つの投信がスタートしました。

・レオス・キャピタルワークス株式会社
・楽知ん投信株式会社
・かいたく投信株式会社
・コモンズ投信株式会社

それに今や老舗のさわかみ投信株式会社、フランス系の日本コムジェスト株式会社などあわせて6社の投資信託会社が、千代田区の麹町地区にあり、直販の投資信託会社のメッカの様相を呈しているのです。直販投信バレーです。
 
 ハードワークでも楽しい毎日

 ホームページを見るとさわかみ投信では、日本全国で勉強会を手伝っています。澤上社長はじめスタッフの方が講師役。
 広告宣伝はせず、口コミを中心に盛り上がってきたといいながら、そうかやっぱりさわかみ投信でもセミナーをやって自社PRをやってるのかと思いましたが、実はそうではないのです。さわかみ投信の外部で、アレンジャーという人がいてこの人たちの要請で勉強会をやっているのだそうです。アレンジャーとは、社会のためにまじめに一生懸命に長期投資を広めたいと頑張っている人たちです。勉強会ではさわかみ投信の販売促進は一切なし。基本的には長期投資について考えていこうというテーマのようですが、経済、社会、文化、教育などとても広い分野に広がっています。
 ファンドの運用、会社の経営、仲間の応援などメチャメチャ忙しい澤上社長ですが、とっても健康で楽しそう。毎日喜びの連続だそうです。一番の理由は直販だからこそ感じられる顧客からの励ましの声。期待の声。人間は信頼され期待されればされるほど、どんどん“まじめに”、“正直に”、“青臭く”なるんだよと澤上社長。

 さわかみ投信がめざすもの

 資源、環境、教育など、さわかみ投信は会社として、コストを節減して浮かせたお金を使って、さまざまな社会貢献活動をスタートしています。自分たちで儲け節約したお金を使って、それを社会の良化のために“使う”。澤上社長は言います「お金の“使い方”に、その人の品格や美意識が出るのだ」と。たいていのはある程度お金が増えてくると、それをいいことに使いたいと感じるようになる。自分のお金を社会のために使うという本当の“ぜいたく”を味わえるよう、そのリード役でありたいというのが澤上社長の目指すところのようです。
 やりたいことがいっぱいあって時間もお金も足りませんと澤上社長。ファンドの運用者、会社の経営者の枠組みを大きく超えて活躍のステージは広がっています。

 キーワードは“生活”

 澤上社長の話の中には“生活”という言葉が随所にでてきます。

・生活者のためのファンド
・人々の生活を下支えしている企業への投資
・生活者が主体となった社会の実現

など、さわかみ投信の活動の根底にはこの人々の“生活”ということが根付いています。生活は短期でなく長期です。生活はバブルでなく現実です。生活は他人の責任ではなく、自分の責任です。
生活者は会社にとって消費者(顧客)ですが、会社に投資をすることによりその会社の株主になります。志の高いよい生活者が、よい消費者そしてよい投資家として会社を応援すれば、会社もよくなる。そしてよい会社から生みだされた収益は生活者・投資家に還元され、再びよい会社に投資がなされる。このような経済の善循環の結果、よい社会が作られていく。
賛同しっぱなしの企業探訪でした。