vol.11 マンション総合相談会 相談事例のご紹介
マンション総合相談会 相談事例のご紹介11
※実際の相談内容を基に再構成しています。
相談内容1
築10年の50戸のファミリータイプのマンションで、子育て期の居住者も多い。しかし防火管理者を務めていた人が引っ越してしまい、いなくて困っている。
「防火管理者が適正な防火管理業務を行わずに火災等により死傷者が出た場合、管理責任者として責任を追及される場合がある」と聞いた。小さな子どもも住んでいるので防火や防災が重要ではあるが、万一の場合、逮捕されるかもしれないと言われたら、引き受ける人がいない。
資格をもった外部の専門家に防火管理者をお願いすることができれば、管理費をやり繰りして費用を捻出することに反対する区分所有者はいないと思うが可能か。
回答
居住者50人以上の延べ面積500㎡以上のマンションは、防火管理者の選任が義務づけられています。50戸のファミリータイプのマンションならば、当然、防火管理者が必要です。選任をするのは管理組合の理事長です。もし、いつまでも防火管理者が不在な状態が続けば、理事長が責任を問われる可能性があります。
もっとも法律が厳格に適用されるのは、不特定多数の人が利用するホテルや商業施設等の場合で、住宅であるマンションの防火管理者や理事長が逮捕されることは、よほど重大な過失がなければないでしょう。
しかし、マンションによっては区分所有者や居住者の中からどうしても防火管理者を選任できないこともあるでしょう。こうした場合も想定して防火管理者の業務を、外部の有資格者に委託できることになっています。ただし、どのような場合でも外部委託が認められるわけではありません。区分所有者や居住者では防火管理上必要な業務を適正に行うことができない合理的な理由がある、と消防署長が認めた場合に限って認められます。
防火管理者はマンションで生活をしている人の中から選ぶのが本来の姿ですが、どうしても引き受け手がいない場合は、消防署に相談してください。
【問合せ】住宅まちづくりグループ 03-3233-3223(直通)