vol.15 マンション総合相談会 相談事例のご紹介
マンション総合相談会 相談事例のご紹介15
※実際の相談内容を基に再構成しています。
相談内容1
管理組合の総会で監事になった。理事長から毎月の理事会に出席してほしいと言われている。管理規約にも監事は理事会に出席し意見を述べることができるとあるが、理事会に毎回出席する義務があるとの記載はない。また、これまでの総会を見ていると、監事は会計帳簿などを点検し会計報告に誤りがないことを報告するだけのようである。
当マンションは輪番で役員を務めることになっており、辞退するつもりはなく、できるだけ協力はしたいと思っている。ただし、多忙なため、毎回理事会に出席するのは難しい。このような場合、出席する必要があるのか。
回答
マンション標準管理規約では、組合の監事について次のように定めています。
1.監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
2.監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
3.監事は、理事会に出席して意見を述べることができる。
つまり監事の役割は、総会に提出される会計報告に誤りがないかどうかを監査するだけでなく、理事会などによる管理組合の運営全体についても監査をする義務があります。
例えば、大規模修繕工事の業者選定が適切に行われたか。法令で定められた定期点検等を実施しているか。居住者から理事会に申し出があったトラブルについて問題解決の努力をしているか。などといったことにも、監事は意見を述べることができます。
もしも大規模修繕工事の業者選定に不正があると判断した場合は、臨時総会を招集することもできます。
監事については、ご質問のように会計監査をする役目と思われがちですが、実際には重要な役割です。確かに理事会に出席する義務はありませんが、執行部(理事会)とは違う視点で管理組合運営を見ることで、良いマンションづくりに寄与することになります。お忙しいとは思いますが理事長からの申し出です。毎回の出席は難しくても、出来るだけ参加するようにしてください。
相談内容2
築15年、45戸のワンルームから3LDKまで様々なタイプがあるマンションで、電気料金を削減するために、東京電力との契約を解除し、高圧一括受電方式に変更することを検討したい。どのようにしたら良いか。
回答
一般家庭向けの電気料金よりも安い高圧一括受電方式を導入する管理組合が増えています。事業に参入する企業も増え、大手デベロッパーの関係会社も取り組んでいます。東京電力もこれまでの方針を転換し、高圧一括受電方式によるサービスを始めました。
高圧一括受電方式を導入する場合、電力会社との契約を、これまでの各戸ごとの契約から、マンション全体で安い電力を「まとめ買い」する契約に変更します。ただし、電気料金の削減対象を共用部分と専有部分の両方にするのか、共用部分か専有部分のどちらか一方にするのかは、電力会社によって仕組みが違います。
一括受電方式を導入するためには、管理組合総会の決議の他に、各戸の同意も必要となることがあります。安い電力を「まとめ買い」するメリットを管理費削減等につなげるのか、それとも各戸の家計に反映するのかによって、組合員や居住者の協力が得られるかどうかの差が出ることもありますから、どちらを選ぶのかよく考える必要があります。
また、高圧一括受電契約をした後の、各戸への電気料金の請求や徴収等を管理組合が行うのか、電力事業者が行うのかもあらかじめ確認する必要があります。
多くの企業が高圧一括受電サービスに参入し、事業内容も多様化していますから、各社の仕組みを比較検討するようにしてください。
【問合せ】住宅まちづくりグループ 03-3233-3223(直通)