マンションで快適に住み続けるためには?-長期修繕計画のおはなし《分譲マンションのQ&A:Vol.20》
マンションに長く、快適に住み続けるためにはきちんとした維持・管理が欠かせません。
多くのマンションで採用されている鉄筋コンクリート造ですが、コンクリートは一種の人造石で、風雨寒暑の影響を受けにくいように造ることができる材料です。また鉄筋は、空気に触れないようコンクリート中に確実に埋め込めば、錆びることなく耐久性の高い構造物を造ることができます。
このことは、税法で定められている耐用年数が、木造では12~24年、鉄骨造で15年~38年であるのに対し、鉄筋コンクリート造は31~50年となっていることからも分かります。
しかし、マンションの屋上や外壁などの防水部分は、15年程度で防水機能が落ちてきます。耐久性があるといわれるタイル貼りでも下地コンクリートの亀裂による割れや下地からの剥離、目地モルタル材の劣化が起こります。そのため、足場を架けるような大規模な修繕が定期的に(一般的には10年~15年サイクルで)必要となってくるのです。
■長期修繕計画とは
ほとんどの分譲マンションで竣工時に作成される「長期修繕計画」は、管理組合が適切な時期に建物設備や外壁などの計画的な修繕を行うために策定するものです。長期的展望に立ち、大規模修繕の内容や修繕周期、工事費、収支などを計画します。
国土交通省の「マンション管理標準指針」では、新築時30年程度、経年時は25年程度を標準的な計画期間としています。長期修繕計画は、何年目に大規模修繕を行い、費用はどの程度かかるかという目安になるので、月々の修繕積立金の額を設定するための参考となります。長期修繕計画の見直しは、5年毎に行うのが理想とされています。
■大規模修繕
マンションの大規模修繕は、一般的に10年~15年サイクルで行います。足場を架けなければならないような大規模な工事には多額の費用がかかりますが、長期修繕計画に基づき、まとめて行うことで工事費用の軽減に繋がります。
まちみらいニュースvol42(2008.9.20)掲載