もし、アスベストが使われていたら、どう対処したらいいだろう?《マンションあれこれ質問箱vol.3》
Q.もし、アスベストが使われていたら、どう対処したらいいだろう?
A.危険なのは、吹付けアスベスト。マンションの年代も参考に専門家に検査を依頼しましょう。
アスベストはどんなものなのか?
アスベストは、日本語では石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれています。天然の鉱物で、名前のとおり、綿のようにきめ細かな繊維状の物質です。耐火性、断熱性、防音性などが高いという性質を持ち、値段も安かったため、昭和55年頃まで建築材料として使われてきました。
アスベストの危険性
アスベストは、たいへん細かな繊維でできているため、空気中に飛散すると呼吸とともに人間の肺に入り込み、分解されることなく肺に残ってしまう性質を持ちます。そして10~40年という長い期問を経て、肺がん、じん肺、中皮腫という重大な病気を発症させるのです。
アスベストの危険性は約20年前から指摘されており、EU加盟国では全面禁止措置が取られています。日本では段階的に規制が進められ、昨年(2004年)アスベストが1%以上含まれた製品の製造や使用が全面禁止となりました。
アスベストはどんな所に使われている?
アスベストはセメントや水と混ぜて柱や梁、天井などに吹付ける「吹付けアスベスト」として、地下駐車場や体育館の天井などに昭和30年~50年初め頃まで使われました。アスベストの吹きつけ作業が昭和50年に禁止された後、「吹きつけロックウール」が代わりに使われましたが、昭和55年頃までに使用されたものにはアスベストが含まれていました。
アスベストはどうなったら危険?
アスベストは、空気中に飛散しなければ健康被害を引き起こすことはありません。経年劣化により、吹き付けたアスベストが崩れ、空気中に飛び散るような状態が危険なのです。まずはアスベストが使用されているかどうかを専門家に検査してもらい、除去が必要なアスベストを発見したら専門業者に除去してしてもらいましょう。また建物の修繕工事の際などに、アスベストを飛散させないよう、細心の注意を払うことが必要です。
千代田区の支援は?
千代田区は、アスベスト有無の調査や除去工事に対して費用の助成を行っています。
詳しくはこちら↓
◇ 千代田区建築指導課 安全対策主査(03-5211-4313)
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/sumai/jose/taisakujose.html
マンション通信ちよだ第4号(2005.11.25)掲載