エレベーターの保守点検と契約について教えてください《マンションあれこれ質問箱vol.5》
Q.エレベーターの保守点検と契約について教えてください。
A.法定点検は年に1回。契約には、フルメンテナンス契釣とPOG契約があります。
エレベーターの法定点検は年1回
エレベーター内に貼られた検査済のステッカーを目にされたことがあると思います。これは、年に1回の法定点検が済んでいる印です。通常行われている1か月に1回の点検は(財)日本建築設備・昇降機センター発行の「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」によるものです(平成5年6月30日)。
最近は. 多くのメンテナンス会社が、遠隔監観というシステムを採用しており、エンジニアなどが実際に行う点検は、3か月に1回程度が多くなっています。
実際に行う保守点検では、エレベーターを一時停止し、機械室に入って、点検、給油、清掃、調整をするとともに、 消耗品(かご内蛍光管、押しボタンスイッチ、ランプなど)の交換をしています。使用頻度によって数年おきに、メインロープなどの交換も行われます。
これはどの契約にかかわらず同様です。
フルメンテナンス契妁(FM契約)
フルメンテナンスという契約の場合は、月々の定額科金の中に、消耗品だけでなく、劣化した部品の修理あるいは取替えも含まれています。当然、後述のPOG契約よりは料金が高く設定されています。
しかし、エレベーターに関するすべてが料金内ではありません。昇降かご、扉、などの汚損・破損による取替えは費用がかかります。また、地震時管制装置、停電時自動着床装置などの改造工事も別料金です。
POG契約
POGは、POGは、Parts(パーツ)、Oil(オイル)、Grease(グリス)の略で消耗部品の交換、オイルの補給、潤滑剤の塗布などを意味しています。定期的な点検、消耗品交換は、フルメンテナンスと同じですが、部品の修理や取替えが必要となった場合には、別途費用がかかることになります。
費用の目安
点検回数等によっても違いはありますが、 保守点検費用は、フルメンチナンス契約では1台につき月額4~5万円台、POG契約の場合で3~4万円台が多いようです。独立系のメンテナンス会社のほうがメーカー系の場合より、多少費用が安い傾向にあります。
過去から遡って最近までのエレベーターの点検報告書を理事会で確認しておきましょう。また、ぜひ一度点検に立ち会ってみることをおすすめします。
マンション通信ちよだ第6号(2006.7.25)掲載