大和ハウス工業は、日本人の生活の質を高めることを目的に、「食」をテーマにした生活文化フォーラムを開催します。
「和食」は、ユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的にも評価が高まっています。
第二次世界大戦後、外国から多くの食材や調味料、料理法がもたらされ、私たちの食は多様化しましたが、それとともに「日本人の食人の形」が失われつつある面もまた現れてきているのではないでしょうか。
食文化は、民族のアイデンティティです。
「和食」は、日本の気候風土とともに育ってきて、四季折々の、季節の食材を献立に織りこむことで、日本人の暮らしを豊かにしてきてくれました。「和食」とは何かを、一言で言い表すのは難しいことですが、家庭でつくる「和食」の大切さ、すばらしさ、おいしさを、どうすれば更に豊かにできるか、各界で活躍中のパネリストの方々と、実演もまじえ、スクリーン映写などの演出も加えて、ディスカッションしていただき、聴衆の皆さまに、今日から役立つ食生活の知恵をお持ち帰りいただく内容にしていきます。
●パネリスト(順不同)
小泉 武夫(発酵学者・文筆家)
1943年(昭18)、福島県生まれ。東京農業大学農学部卒業。東京農業大学名誉教授。生家は酒造家で、専門は醸造学・発酵学・食文化論。母校で教鞭をとるかたわら、世界各地を学術調査し、奇食珍食に挑戦。
自称、食の冒険家。「発酵仮面」「鋼鉄の胃袋」「ムサボリッチ・カニスキー」などの異名をもつ。
『食あれば楽あり』『発酵食品礼讃』『発酵は力なり』『発酵は錬金術である』『食の堕落と日本人』など、著書は100冊を超える。
富司 純子(女優)1945年(昭20)和歌山県生まれ。62年(昭37)高校2年で芸能界デビュー。63年(昭38)マキノ雅弘監督にスカウトされ、藤純子の芸名で東映映画に出演。その後、『緋牡丹博徒』『日本女侠伝』『女渡世人』シリーズに主演。72年(昭47)NHK大河ドラマ「源義経」で共演した四代目尾上菊之助(現七代目菊五郎)と結婚。女優・寺島しのぶ、五代目菊之助の母となる。家族の料理は一貫してみずからつくってきた。74年(昭49)寺島純子の名前でフジテレビ系のワイドショー「3時のあなた」の司会。
映画では89年(平元)「あ・うん」、99年(平11)「おもちゃ」、06年(平18)「フラガール」などに出演。07年(平19)紫綬褒章受章。11年(平23)にNHK連続テレビ小説「てっぱん」で月間ギャラクシー賞、日本放送協会放送文化賞を受賞。梨園の妻、母、そして女優として活躍中。
土井 善晴(料理研究家)
1957年(昭32)、大阪府生まれ。芦屋大学教育学部卒業。早稲田大学文学学術院非常勤講師。92年(平4)「土井善晴おいしいもの研究所」設立。NHK「きょうの料理」、テレビ朝日系「おかずのクッキング」のレギュラー講師を26年間継続中。
日本の伝統的な食材を使った基本の調理を大切にし、わかりやすい指導で定評があり、食材や旬の大切さ、料理の楽しさ、食事のマナーなどをわかりやすく解説している。主著『土井善晴の定番料理はこの一冊』『男の料理入門塾』『日本のお米、日本のご飯』『土井善晴のおかずクッキング』など多数。
高橋 睦郎(詩人)
1937年(昭12)福岡県生まれ。福岡教育大学教育学部国語科卒業。広告制作会社日本デザインセンター、サンアド勤務の後、独立。現代詩をはじめ、短歌、俳句、新作能、オペラ等、日本語詩歌のあらゆる可能性に挑みつづけている。『銀座百点』、『オール読物』の俳句の選者を努める。
82 年(昭57)詩集『王国の構造』で歴程賞、87 年(昭62)句集『稽古』と、飲み食いをテーマにした歌集『飲食(おんじき)』を収めた『稽古飲食』で読売文学賞詩歌俳句賞受賞。みずから厨房に立ち、調理もする。88年(昭63)詩集『兎の庭』で高見順賞受賞、00年(平12)紫綬褒章、12年(平24)旭日小綬章受章。