まちサポ CHALANGE

海老原商店での装いとコミュニケーションをテーマにしたワークショップ「着がえる家」の実施

(「着がえる家」実行委員会)

一般部門

地域のまちづくりに貢献する点

海老原商店が面する柳原通りは、江戸時代後期に古着を扱う露店が多く店を開いた場所で、明治維新後も古着を扱う一大市場として継続した。海老原商店もまた、古着、既製服、反物と扱う品を変えながら、日本の洋装化の歴史とともに歩んできた場所だが、この100年足らずの間に、装いと人間の関係は大きく変わってしまった。大量生産・大量消費のもとで、服の生産者と消費者が分断され、服が文化ではなく使い捨てになり、装いにおける自己表現やコミュニケーションはますます貧弱なものに
なっている。西尾の活動では、「誰もがすでに装いの参加者である」という視点から、装いの実践者たちの能動性を回復させ、装いが閉ざしているコミュニケーションを装いによって取り戻すことを目的としている。

具体的には、裁縫が得意な高齢者やお母さんたちをボランティアに迎え、子どもたちが新しく服を作る機会を提供することで、地域の多様な背景を持った人たちが、大きな家族を形成するようにひとつの「商店=家」に集い、創造的な交流を深めていく。地域の過去・現在・未来、あるいは史実と創造性を行き来しながら、人が交流し、自由な発想でモノゴトを生み出していく環境を整えることで、まちづくりに貢献する。

また、本企画が東京ビエンナーレ2020/2021のプロジェクトとして取り上げられることで、地域へのまちづくりの貢献はさらに高まると考える。東京ビエンナーレとは、2021年7月から9月までを会期とした、アート、建築、ファッション、メディア芸術、舞台芸術等の多様な表現領域、社会文学者、科学技術者、及び企業・団体、地域住民との共創文化事業型の国際アートフェスティバルである。「アート×コミュニティ×産業」をコンセプトとして、「歴史&未来」「教育」「幸福感」「回復力」を活動キーワードに、同時期にアーティストと地域の人々との協働による多岐にわたるアーツ
プロジェクトを行う。この活動を通して、社会課題、地域課題を解決するムーブメントを創り、「着がえる家」もまた注目され、海老原商店の歴史や衣服を媒介とした今後の千代田区での継続的な活動に積極的な人材が集まってくることが期待できる。

活動内容

西尾は「生活と装い」「住み開き」「新しい古着屋」をキーワードに、来年度の東京ビエンナーレ2020/2021会期中、新しい「海老原商店」の期間限定の店主として、住み込み型のプロジェクトを展開する。具体的には、(1)常設展示、(2)ワークショップ、(3)店舗という3つの要素でプロジェクトを展開する。

(1)常設展示では、家族写真と服をテーマにした旧作のシリーズや、西尾が自ら子育てをする中で実践している服と生活の関係を紹介する。(2)ワークショップでは、地域住民から事前に募集する「着なくなった服」を素材に、料理と服作りを掛け合わせたものや、洗濯物を洗う・干すという日常的な行為に着目したもの、子どもたちを創造的なテーラーに育てていくものなどで構成され、装いに参加する多様な人々が日々出入りする場所になる。また、(3)店舗としての機能では、ワークショップで生まれた新しい服を第三者に鑑賞してもらうだけでなく、手にとって日常に還元してもらうべく、販売をしていく。

本申請では、これら来年度の開催に向けたプレ事業として、(2)ワークショップを先行して複数回実施することで地域の人たちに活動を認識していただく機会とする。またその過程で2021年東京ビエンナーレ2020/2021終了後も海老原商店で、近隣住民や通勤通学に通う人たちに対しての活動を継続できるような運営チーム作りの機会にしたいと考えている。単発のイベントではなく段階を踏んで定期的に活動の機会を作っていくことで、丁寧に周囲を巻き込んでいき、継続的なまちづくりへの貢献を目指す。

助成グループについて

助成グループ「着がえる家」実行委員会

代表者氏名宍戸 遊美 (シシド ユウミ)

連絡先担当者「着がえる家」実行委員会

連絡先E-mail03-5816-3220