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【第7回】「マンションでの植物の楽しみは ルールやマナーを守って」

マンション管理士 村澤 優子

 千代田区のような都心のマンションのベランダにも、昆虫や小鳥が食べ物を求めてやってきます。我が家のベランダにも、山椒の小さな苗があり、去年の夏は、アゲハチョウが毎日決まった時間に遊びに来てくれました。冬には、千両の赤い実を食べにヒヨドリがやってきます。春は水仙の香りが漂います。マンションの狭いベランダでも、四季を感じ、自然に親しむことができます。しかし、ベランダは共用部分であることをご存じでしょうか。共用部分としてのルールを守ることがそれを楽しむための前提条件です。

 ルールといっても常識の範囲内ですが、人それぞれ考えや思いに違いがありますので、トラブルを防ぐために、管理規約や使用細則等に明記することが望まれます。マンションによっては、ベランダに植木鉢を置くこと自体を禁止している場合もあります。

 また、ベランダは火災の時の避難路として法律(建築基準法、消防法)で位置付けられています。いざというとき、隔壁の板を破って隣に避難する等の必要がありますので、避難路をふさぐような事は禁止されています。物置やサンルームの設置禁止は当然ですが、管理規約等で植木鉢を置くことが禁止されていない場合でも、その置き方には気をつけましょう。大きなものや数多く置くと隔壁や避難はしごなどの避難路をふさいでしまいます。

 また、ベランダに植木鉢を置く場合は、強風対策や階下への防水対策、落ち葉や土による排水溝の詰まりなどにより近隣に迷惑をかけないように配慮することも大切です。

 話は少しかわりますが、大規模修繕工事の時はベランダに置いた植木鉢の処置が悩ましいことになります。敷地内に植木鉢の一時保管のためのスペースがあれば良いのですが、スペースがない場合は、室内で保管するか処分しなければなりません。
 この植物の処分がまた大変です。大規模修繕工事の時に限らず、特に土の処分は頭の痛い問題です。土はゴミとして回収されないからです。植栽管理会社によっては、サービスの一環として、不要な土の回収を行っているところもありますので、相談してみるのも良いでしょう。

 あるマンションの園芸クラブでは、落ち葉で腐葉土を作り、不要な土を持ち寄って土の再生に取り組んでいます。植栽管理会社の協力を得て、自分たちで植栽の管理を実施しているマンションや、剪定した枝や葉を再利用し、リース作り・ハーブティーパーティや押し花カード作りなどのイベントを楽しんでいるマンションもあります。

 イベントや園芸の楽しみは、居住者同士の話もはずみ、自然とマンションのコミュニティ形成につながるのではないでしょうか。

次回は、【第8回】「マンション防災の心得」です。