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【第10回】「バルコニーは誰のもの?」

マンション管理士 飯田 勝啓

 突然ですがクイズです。「バルコニーは誰のものでしょうか?」と聞かれてすぐに答えられますか?バルコニーに入るには部屋からでないと行けないし、部屋の延長だから専有部分だ、と考えている方。お気をつけください!バルコニーは専有部分ではなく、共用部分なのです。もっとも、みんなのための共用部分とは言っても一定のルールの範囲内で専用的に使うことができる(専用使用権がある)部分なのです。

 ではバルコニーではどこまで自由な使い方が許されるのでしょうか?エアコンの室外機や人工芝・ウッドデッキの設置は?アンテナや物置の設置は?プランターや花壇の設置は?布団干しは?洗濯物干しは?バルコニーでのボール遊びは?上半身裸になっての日光浴は?少し前にはホタル族と言われたバルコニーでの喫煙は?

 その答えは、マンションによって異なります。つまりマンションによって定められたルール(使用細則など)によって変わってきます。ご承知の通りマンションでは管理規約や使用細則などで様々なルールを定めています。では細則などで禁止されていなければ全てやってよいのか?ということになります。

 一般的にエアコン室外機のようにいつでも取り外しができるものや、緊急時の避難に支障がないものであれば常識の範囲内で認められているようです。マンションで「避難」というと隣の部屋との「隔て板」( バルコニーにある隣家との境の板)を破って隣に避難することは、皆さん、イメージできていたとしても、階上から階下への避難ハッチの様に気付きにくいものもあります。消防点検で指摘されることもよくありますが、物置きなどがバルコニーにあると避難梯子が下までしっかりセットされず、避難が危険な状態になることもあるので要注意です。

 しかし、こうしたルールがなくても、大声で騒ぐ行為など隣家に迷惑を掛ける行為は禁止です。夏を涼しくと思って下げた風鈴の音も聞く人にとっては耳障りな音になることもあります。裸でリラックスしたつもりでも不快に感じさせることもあるので、近隣への配慮は必要でしょう。

 また手すりへの布団干しは落下の危険があるため、ルールがなかったとしても問題です。美観上の観点から洗濯物干しを細則で禁止しているマンションもあります。またバルコニーでの喫煙についてはルールがなかったとしても止める方がよいでしょう。煙が上の階に流れ気づかないうちに迷惑を掛けることになります。この問題で階上の方が階下の喫煙者を訴えた裁判では、喫煙者に対する損害賠償請求が認められていることも忘れてはなりません。

 共同生活することが大前提のマンションです。ルールを守り、楽しく有意義にバルコニーを使ってマンションライフを楽しみましょう。

 次回は、【第11回】「マンションの水漏れ対策」です。