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【第6回】「管理費と駐車場使用料」

マンション管理士 飯田 勝啓

 マンションの管理組合総会で、「管理費が赤字で足りない!」といった悲鳴が上がっています。そこに共通するのは、駐車場使用料を管理費に充当することにしていたものの空き区画が埋まらず、収入が不足してしまったという点です。

 標準管理規約で駐車場使用料は、駐車場の管理に要する費用か修繕積立金に充当することになっていますが、使用料を一般の管理費に充当していると、冒頭のような問題が発生します。駐車場利用者が少ない場合には、管理費が足りずに結果として適正な管理ができなくなるといった問題に繋がるのです。

 竣工時に駐車場のニーズなども考慮して予算を組んでいればよかったのですが…。既に管理は開始されています。早急に対応を考えなければなりません。その対応として考えられることは、次の3点です。

① 組合員全員で現在の会計の厳しい現状を共有すること。                             ② 管理費の支出を抑え、使用料収入が少なくても対応可能な予算に組み替えること。
  ※ 管理会社任せにせず、管理組合として支出面で何を重視するかの合意形成も重要です。
③ 駐車場の空き区画を埋める対策をとること。

 外部から募集する場合は、収益事業として納税などの対応や、セキュリティ面などの課題を解決することが必要です。また管理規約で使用料を管理費に充当することになっている場合には規約の見直しも必要です。昨今、社会全体でのクルマ離れにより、空き駐車場問題がマンション共通の課題になっています。千代田区も例外ではありません。長期的な視点に立つと、ニーズのない駐車場は将来的に廃止するなど思い切った議論が要になる場合もあります。

 管理費は組合員で関心を持つことが重要です。管理組合は管理会社の協力を得ながら、できるところから取り組んでいきましょう。また、修繕積立金が竣工時から適正な水準より低く抑えられているマンションが見受けられます。販売しやすくするために低額にしたものと思われますが、早い時期に長期修繕計画に基づく適正な金額にすることも重要です。複雑な問題ですのでまちみらい千代田の「まちづくりアドバイザー派遣制度」を利用するのもよいでしょう。

◆次回は、【第7回】「マンションでの植物の楽しみは ルールやマナーを守って」です。