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【第5回】「管理組合員としての心得」

マンション管理士 鈴木 信一

 私の所有するマンションでは管理組合の役員決めをこれまで輪番制で行ってきました。しかし、組合員の高齢化などにより、その継続が厳しい状況になってきました。築26年にもなると、新築当時からの住人は全て60歳以上。一方、賃借人の方はファミリー層が中心です。途中からの入居者は単身者が多く、居住者の平均年齢が若返るのはたいへんありがたいことでした。管理組合としても、単身の居住者は高齢化の救世主と思って、管理組合の理事をお願いすることがあります。

 しかし、その方達はなかなか役員を引き受けてくれません。その理由は、「仕事が忙しくて時間がない」、「管理組合に関心がない」、「面倒くさい」、といったものです。例え引き受けても、理事会への欠席が多く、自ら進んで財産を守るという意識が低い様に感じられます。単身者の全てが、非協力的とは言えませんが、協調性がない方が少なからずいらっしゃいます。これは個人の人間性でもあります。

 中には、こんな方もいらっしゃいました。独身女性の方で、輪番制の理事をお願いしたところ、「仕事が忙しく、帰宅は夜遅い。土日は旅行に出るから活動できない」と断られます。消防点検や排水管洗浄の時には、「私は一切近所付合いをしないから放っておいてほしい」と公言され、入室さえ断っていました。それなのに、上層階から漏水が発生した時には、管理会社に真っ先に連絡を取り、勤務時間と思われる平日の午前中に、処理の対応をしていました。そのような姿を見ると、開いた口がふさがりませんでした。
 
 マンションの居住者でも、賃貸住まいの経験が長いせいか、管理会社が全て管理業務を行うものだと勘違いされている方が多く居ます。本来、マンションの管理は管理組合が主体となって行う業務であり、管理会社はそれを「委託」されているに過ぎません。

 マンション管理適正化法で、「マンションの区分所有者等はマンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を果たすように努めなければならない。」となっているように、組合員が中心となりマンションの管理運営を行わなければならないのです。これは、自分達のマンションは自分達で守らなければならないということです。 昨今、管理組合の役員を拒む組合員が多いですが、マンションを購入した方は組合員としての責務をしっかりと認識し、管理組合活動に積極的に取り組んでいかなければなりません。

次回は、【第6回】「管理費と駐車場使用料」です。