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【第14回】「「雨漏り」漏水対策(2)」

マンション管理士 鈴木信一

 マンションの漏水対策で以前、給排水管等設備の不備が原因で発生する漏水対策を掲載しました(平成27年9月20日号)。今回は、雨水等による屋上・外壁・排水溝等の建物の不備が原因で発生する漏水の対応について考えます。

 漏水対策は、漏水発生の原因が明確な場合は原因を取り除けば比較的簡単に解決しますが、原因不明の場合は厄介です。特に雨漏りは、雨が降らなければ発生しないので見落としがちです。

 雨が降った際に天井や壁にシミを見つけたら、まず雨漏りを疑ってみると良いでしょう。大規模修繕等で屋上・外壁・排水溝を修繕した際の工事に不備が有る場合は、雨漏りが発生する可能性が高くなります。工事の不備は、修繕工事が終わって直ぐには解りませんが、一年、二年経つにつれて屋上防水層のヒビや外壁のクラック、そして排水溝の詰まりが発生し、雨水が躯体に伝わってとんでもない場所から雨漏りが発生する事が有ります。 

 この様な時は、原因究明や修繕に多額の費用と労力を要します。調査のためには建物に放水するなど、雨降りを再現して調べることになります。また、屋上の防水工事は、床をはつるなどの大掛かりな対応を強いられます。そのような対応には経費がかかり、修繕積立金を取り崩す場合が有ります。

 以上の事から、漏水をはじめとしたマンション内でのトラブルは、区分所有者・管理組合・管理会社が共通認識を持って対応に当たらないと解決できない問題が多々あることが分かります。
 
 区分所有者は専有部分内の点検やマンションの法定点検・そして建物設備の定期点検に協力する事が必要です。専有部分に入らなければ作業できない排水管洗浄や消防設備の定期点検等にも積極的に協力し、自らも部屋の異変に注意し点検をする事がトラブルを未然に防ぐ一歩です。

 管理組合も管理会社に管理を丸投げするのではなく、建物や設備の点検には出来るだけ立ち合い、注意を払って運営したいものです。もちろん、多くの管理組合は計画的に維持管理を行い、マンション保険等で費用面でのリスク対応や、区分所有者の損害賠償等、様々なトラブルを想定した対応をされていると思います。
 「終の棲家」として、安心・安全に暮らせるようなマンションを皆で協力して作っていってください。

次回は、【第15回】「標準管理規約の近況」です。