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【第24回】「管理会社の金銭事故の裏に潜むこと…」

マンション管理士 飯田勝啓

 管理会社の不祥事の典型は管理員やフロント担当の着服など金銭事故です。ほとんどの社員は善良で誠実な方ばかりですが、ほんの一握りのよからぬ輩がいることで、このような事故がおきているのです。
 
  では、そもそも金銭事故はどのような手口によるのでしょうか。それは管理の現場で「現金」を扱っているケースです。今では管理費や修繕積立金の支払は口座振替が一般的ですが、駐車場や駐輪場の使用料も含め、一部の管理組合ではまだ現金で集金されている所があります。このようなところは要注意です。
 また、現金を管理員室で扱っていなかったとしても安心してはいられません。
 
  銀行の印鑑はどうでしょうか?「うちは理事長が保管しているから大丈夫!」と思っている管理組合も多いかと思います。でも、定例の出金の場合、払出票に捺印する際に銀行印を担当者に渡して押印を代わってもらうことはありませんか?他にも理事長の交代時など一時的に印鑑を管理員やフロント担当に渡すことはありませんか?印鑑を渡してしまうと、隠れて白紙の払出票にいくらでも押印することができてしまうのです。見ず知らずの人に印鑑を渡すことはあり得なくても、信頼している人だからこそ、気軽に渡してしまうのかもしれません。
 
  管理組合のお金に手をつけるような悪い人がいること自体が会社の信用にもかかわることから、管理会社では、マンションの現地で現金を扱うことは極力避けるようにしています。また複数の社員によるダブルチェックやコンプライアンス研修等にも力を入れています。というのも、金銭事故が発生したらマンション管理適正化法で行政処分が待ち受けていますので他人ごとではないのです。
 管理会社には徹底をお願いするとして、管理組合にも課題があります。それは管理に「無関心」な方が多いことです。毎月の資金の流れや残高などチェックできていますか?担当者に丸投げになっていませんか?これらがしっかりできれば、かなりの抑止になります。
 
  組合員の皆さんにおいても、管理会社や理事会に任せきるのではなく、少なくとも年1回の総会に出席して、管理会社をチェックすることは重要です。 事故の裏に潜む「無関心」や管理会社への「まる投げ」により不正発生のリスクが高まるとともに発見が遅れ被害が拡大する懸念が生じます。そうならないためにも、皆さんで管理に関心を持っていきましょう。

問合せ

 住宅まちづくりグループ 3233-3223

次回は、【第25回】「共用部分の地震保険を考える」です。