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【第26回】「マンションの『二つの老い』」

マンション管理士 鈴木信一

 マンションに関する問題として「二つの老い」という言葉が以前より指摘されています。これは、「建物の老朽化」と「居住者の高齢化」の二つを指したものです。

高度成長を支えた団塊の世代は老後の悠々自適な生活を夢見て働き、定年を迎え、現在は年金生活に入りました。
彼らはバブル期前後にマイホームを取得し、子育てと住宅融資の返済を現役時代に終わらせる計画で働いてきました。
しかし、住宅ローンを完済して定年退職し、悠々自適のハズが今や、マンションも25年から30年経ち、思いもよらない様々な経費がかかるようになってきています。

現役時代は高収入を得ていたサラリーマンの「老後破綻」が、昨今話題になっています。マンション生活でも管理費・修繕積立金が払えず、滞納する区分所有者が増えて来ているのが現状です。私の住んでいるマンションでも、2回の大規模修繕と給排水管の更新工事も終え今後、エレベーターの交換や三回目の大規模修繕を計画しています。今後、管理費・修繕費の値上げを検討しなければならない状況になって参りました。

現在、新築当時から居住している方は、定年退職し年金収入を主に生活している方、旦那様を無くし単身で生活している方、会社を転職し収入が減ってしまった方等で、65歳以上の区分所有者が半数を超えているという状態です。中古で購入した若い方も、子育て等で生活の余裕が無く、管理費・修繕積立金の値上げがままならない状態です。
特に、年金収入が主な区分所有者の中には、管理費・修繕積立金の値上げ計画に対し、この際に売却し、賃貸物件に引っ越すという人も現れました。

今回の管理費・修繕積立金の見直しに際し、管理組合の財政管理については長期修繕計画を綿密にたて、組合員の負担が重くならない様に配慮する資金計画が大事だと感じました。
あなたのマンションは大丈夫でしょうか?

この機会に管理費・修繕積立金の詳細を確認してみてはいかがでしょうか。

問合せ

住宅まちづくりグループ  3233―3223

次回は、【第27回】「管理組合の心づかい」です。