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【第28回】「『外部専門家活用』の考え方」

マンション管理士 飯田 勝啓

 昨今、マンション管理で話題になっている外部専門家ですが、『外部専門家の活用ガイドライン』という新しい基準が国土交通省から発表されました。

1.外部専門家とは

 マンションの管理は建物や設備の構造や維持・保全といったハードの部分、集合住宅特有の居住形態の基本となる区分所有法、さらには管理組合の運営などソフト面まで、その範囲は広く、専門知識が必要です。特に高経年化したマンションでは課題が複雑で、より専門的知識を有する専門家が求められています。通常は国家資格を有するマンション管理士や一級建築士などがマンションに関わる専門家として一般的です。

2.外部専門家が必要とされる背景とは

 マンションの高経年化、老朽化などにより建物の維持管理は複雑化し、より高度な専門知識が求められるようになってきたことから、輪番制で役員になった方々が円滑に管理組合を運営することが難しくなっています。
その一方で、管理組合内部で、組合員の高齢化や賃貸化などにより、役員のなり手不足が深刻になっています。特に居住者や管理会社との連携など日常業務で中心となる理事長のなり手がないという悩みを抱える管理組合が増えています。こうした背景から、専門的知識と経験を有する外部専門家を活用するという考え方が生まれているのです。

3.外部専門家を活用する場合に気をつけること

   外部専門家に任せれば、役員負担が軽くなると安易に丸投げすることは危険です。あくまでも、区分所有者としての自覚を持つことと、外部専門家へのチェック体制は不可欠です。
ガイドラインでも、外部専門家を導入する場合には管理規約に外部管理者の固有名詞を入れないことや、解任の場合の総会招集要件の緩和なども含め、外部管理者との契約内容、外部管理者の評価方法など留意点が明示されています。管理を任せるうえでも信頼関係のうえに立った「緊張関係」は不可欠です。

4.具体的な活用方法は

 外部管理者の活用方法には、理事会を存続させ、外部管理者を役員(理事長・監事等)として活用する方法、役員ではない管理者として活用する方法、理事会を廃止し、外部管理者を規約で管理者に定める方法など様々です。
また滞納問題など特別な課題がある場合にその専担者として役割を担うこともあり、管理組合の実情に応じて、適正な管理の観点からどのようにするのがよいか管理組合内での十分な協議と合意形成が重要です。

5.まとめ

 外部専門家のメリットが分かったとしても、外部専門家活用の際の、選び方や活用方法等への不安もあるかと思います。
まちみらい千代田では建物の老朽化や役員のなり手不足などさまざまな事情から外部専門家の活用を検討されている管理組合の相談もお受けしていますので、ご相談ください。

問合せ

住宅まちづくりグループ  3233―3223