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梅雨が明けても、台風や線状降水帯によって発生する、 大雨や内水氾濫に注意「千代田区ハザードマップ」や「浸水履歴図」、 「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を活用

マンション管理士 飯田太郎 氏

梅雨が明けても、台風や線状降水帯によって発生する、
大雨や内水氾濫に注意

 今年の梅雨は線状降水帯等による大雨が九州、中国、北陸、東北地方等に深刻な被害をもたらしました。東京都心でも6月2日から3日にかけての大雨で、24時間雨量が218mmを記録。6月としては観測史上最大の雨量でしたが、幸い大きな被害はありませんでした。
 近年、特に警戒が必要だとされている線状降水帯は、次々に発生する発達した雨雲(積乱雲)が列のように連なり、数時間にわたりほぼ同じ場所を通過または停滞します。気象庁は線状降水帯による激しい雨が降る可能性があるとき、半日程度前から「顕著な大雨に関する気象情報」を発表していますが、線状降水帯が発生すると、大雨による災害発生の危険度が急激に高まります。ハザードマップや過去の水害の記録等で、自分たちのマンションの浸水リスクを確認し備えをしてください。
 千代田区のマンションが本格的な水害で大きな被害を受ける可能性があるのは、神田川・日本橋川や荒川の氾濫、東京湾の高潮ですが、比較的起こりやすいと考えられるのは、下水道が雨水を処理できないことによる内水氾濫です。
 千代田区の資料*によると、平成元(1989)年から令和2(2020)年2月18日までの間に、区内で内水氾濫等による浸水被害が確認されたのは12件です。この中で最も被害が大きかったのは、平成元(1989)年8月1日の台風12号によるもので、浸水面積:15.58ha、浸水被害:211棟、210世帯(床下浸水:164棟、186世帯、床上浸水:47棟、24世帯)でした。
*地球温暖化対策推進懇談会検討部会の資料(現在は削除されています)

「千代田区ハザードマップ」や「浸水履歴図」、
「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を活用

 千代田区で想定される水害について詳細に説明しているのは「千代田区ハザードマップ」です。区役所の各出張所等で配布しており、インターネットでもご覧いただけます。(現在は閲覧できません)
 また水害ハザードマップの内容を分かりやすく解説した映像をYouTubeで公開しています。
 (https://www.youtube.com/watch?v=wq_WX31m3Y4
 区ではハザードマップとは別に「千代田区浸水履歴図」も作成しています。これは昭和57(1982)年から平成20(2008)年の道路冠水データをもとに作成したもので、実際の住宅の浸水被害を示したものではありませんが、対策を考える参考になります。
※浸水履歴図は1から4まであります。下段に浸水履歴図に掲載されている大雨の概要を転載しました。(現在は削除されています)
 自分たちのマンションの周辺の内水氾濫等の可能性については、ハザードマップや浸水履歴図をご覧いただき、マンション内で共有してください。 また、千代田区は坂の多いまちで、区内最高地点は海抜約32m、最低地点は海抜約2mです。坂の下にあるマンション周辺は、どうしても雨水が集まりやすいのでご注意ください。
 マンションで浸水が発生した時、特に深刻な被害を受けやすいのは電気設備です。令和元(2019)年、東日本台風(第19号)による大雨に伴う内水氾濫により、武蔵小杉の超高層マンションの地下部分に設置されていた高圧受変電設備が冠水、停電し、エレベーター、給水設備等のライフラインが一時使用不能となる被害が発生しました。
 マンション等の浸水被害の発生を重く見た国土交通省と経済産業省は、連携して「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」を設置し、浸水対策のあり方を検討した結果を、「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」として発表し、マンション等の浸水対策方法を詳しく示しました。(現在は削除されています)
 浸水の可能性があるマンションでは、これを参考にして対策を行うことをお勧めします。

マンションサポートちよだmini第155号掲載(2023.7月発行)
(PDFで読みたい方はこちら