各地で地震が頻発 首都直下地震の発生確率は30年以内に70%
各地で地震が頻発
首都直下地震の発生確率は30年以内に70%
連休中の5月5日、能登半島で最大震度6強の地震が発生、続いて11日の明け方、千葉県南部を震源とする最大震度5強の地震が発生しました。この他にも八丈島の近くやトカラ列島(鹿児島県)近く、さらに豊後水道(愛媛県)など、地震が各地で頻発しています。今年は1923年に関東地震が発生してから100年。地震への備えが十分かどうか、改めて確認しましょう。
地震への備えが必要な理由の一つが、マグニチュード(M)7クラスの首都直下地震が、30年以内に70%の確率で発生すると言われていることです。これはどういうことなのか? この機会に確認します。
1995(平成7)年1月に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに、わが国の地震調査研究を一元的に推進するため、地震防災対策特別措置法に基づき、政府の特別な機関として地震調査研究推進本部が設置されました。その業務の一環として同本部の地震調査委員会が「全国を概観した地震動予測地図」(2008年版)を発表。その中で首都直下地震の発生確率を30年以内に70%としました。これは最新の2020 年版にも引き継がれています。
南関東でM8クラスの巨大地震は過去に何回も発生していますが、比較的正確な記録が残る江戸時代以降は、1703 年と1923年の関東地震が知られています。この2つの巨大地震は、陸側のプレートに海側のプレートが沈み込む相模トラフ周辺で発生しています。
M8クラスの巨大地震は、1923年の関東地震発生からまだ100年程度しか経っていないため、近い将来再び発生する可能性は低いと考えられています。しかし、2つの巨大地震の間の約220 年間には、M7クラスの地震が多数発生しています(図参照)。地震調査研究推進本部地震調査委員会は、これを基に南関東でM7クラスの地震が今後30年以内に起きる確率は70%という予測をしています。
(注)M6の地震エネルギーを1とすると、M7の地震は32、M8の地震は1,000です。Mが1つ上がると地震エネルギーは約32 倍になります。
特に重要な、家具転倒防止と
携帯用トイレの備蓄
エレベーター停止で困る災害弱者への支援も
地震が発生すると様々な被害に見舞われますが、マンション生活で特に怖いのは家具転倒やガラス等の飛散です。家具転倒防止やガラス等の飛散防止をしましょう。
生活に深刻な影響を与えるのは水道が使えないことですが、特に困るのはトイレです。通水をしても排水管に支障がないことが確認できるまで、トイレの水は流せません。携帯トイレの備蓄は忘れがちですが、最優先で用意しましょう。
エレベーターが使えない不自由さは、特に高齢者世帯を直撃します。日頃からマンション内の要支援者を把握し、管理組合として要支援者名簿を作成し、支援できるようにしましょう。
マンションサポートちよだmini第153号掲載(2023.5月発行)
(PDFで読みたい方はこちら)