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マンション管理 最近の動向
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修繕積立金等の分別管理を徹底─保証契約も義務化《マンション管理 最近の動向vol.2》

マンション管理士 飯田太郎 氏

管理会社との契約書の内容が変わりました

修繕積立金等の分別管理を徹底─保証契約も義務化

 管理会社の社員による修繕積立金等の使い込み等を防ぐため、国土交通省は標準管理委託契約書を改定しました。管理会社が徴収した管理費や修繕積立金の取り扱いを変更し、資金の分別管理の徹底や保証契約の義務化を盛り込んでいます。主な改正点は次の通りです。
㈰預金口座等による保管方法を3分類に変更しました。1つは徴収した修繕積立金・管理費等を一時的に預け入れる『収納口座』(名義は管理組合、管理会社のいずれでも可)、2つめは徴収した修繕積立金を預け入れ、または残額を移し換え管理するための『保管口座』(管理組合名義)、3つめは徴収した修繕積立金一管理費等を預け入れ管理するための『収納・保管口座』(管理組合名義)です。
㈪管理会社が毎月徴収した修繕積立金等から当月分の管理費用を控除した残額を、翌月末日までの収納口座から保管口座に移し換えることを義務化しました。
㈫管理業者が修繕積立金等を管理する場合、1ヶ月分の修繕積立金等の合計額以上の額の保証契約の締結を義務化し、保証契約の内容を明記することとしました。
 (2010年)5月1日以降に締結される管理委託契約から実施されます。

大規模修繕工事の欠陥を補償する保険制度がスタート

大規模修繕工事向け瑕疵担保責任保険

 マンションの大規模修繕工事を対象に、欠陥工事の被害を補償する新たな保険制度が誕生しました。耐震偽装事件をきっかけに制定された住宅瑕疵担保履行法にもとづくもので、大規模修繕工事の施工業者が任意加入します。業者が保険に加入すると、工事完了から5年以内(屋根・屋上は10年以内)に欠陥が見つかった場合、補修費用の8割が保険金として修繕業者に支払われ、手直しをさせることになります。修繕業者が倒産している場合は、管理組合に補修費用の全額が支払われます。
 大規模修繕工事は中小業者も多いだけに問題が起きやすく、業者に補償能力がないこともありました。業者が保険に加入していれば、欠陥工事で再度の補修が必要になった場合、最大5億円の保険金が支払われます。
 保険料は施工する修繕業者が負担するため、工事費が高くなる可能性もありますが、国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人が、工事中の現場検査も行うことで欠陥工事の発生を防ぎ、工事の質を上げる効果も期待できます。今後は保険の有無が工事発注の判断基準のひとつになるでしょう。

 

マンションサポートちよだmini第2号(2010.6月発行)掲載
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千代田区マンション理事長連絡会
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