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マンション管理 最近の動向
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主要道路沿いの建物の耐震診断を義務化《マンション管理 最近の動向vol.8》

マンション管理士 飯田太郎 氏

主要道路沿いの建物の耐震診断を義務化

●23年度に都条例制定

 東京都は「緊急輸送道路」沿いにある昭和56年5月以前に建設された旧耐震建築物について、耐震診断を義務付ける条例を平成23年度中に制定する方針です。緊急輸送道路は大地震が発生した時などの救助・消火、住民の避難、物資の輸送等に使用する道路で、都内に約1,970kmあります。このうち甲州街道や環状7、8号線など約1,000kmの沿道にある、高さが道路幅の半分以上の建物の所有者(マンションの場合は管理組合)に対して耐震診断の実施と結果報告を義務付ける方針です。
  耐震診断の費用は床面積1㎡当たり1,000円~2,000円程度かかりますから、66 m (20坪)の住戸が100戸あるマンションの場合は1,000万円前後の負担になるのが普通です。このため耐震診断の必要性を感じていても、実施できない管理組合がほとんどとなっています。東京都は、診断の義務化とあわせて費用を全額助成することで、管理組合が積極的に耐震診断に協力できるようにする方向で検討を進めています。

管理費減額でも、積立金は増額

●22年度下半期の傾向

 マンション管理新聞社は毎年2回「管理費等初期設定調査」を実施していますが、平成22年下半期の結果が発表されました。新規供給マンションの平均モデルは70 mの住戸を購入したときの分譲価格4,200万円、管理費(月額)12,040円、修繕積立金(月額)5,530円、修繕積立基金35万2,870円です。
  1㎡当たりの管理費は平成22年上半期に比べ4円減少の172円で、21年下半期から3期続けて減少しています。修繕積立金は一貫して増加傾向にあり、今期も前期よりも1㎡当たり1円増えて79円になりました。東京23区のマンションの場合は管理費が242円、積立金が96円と、全国平均をかなり上回っています。
  「修繕積立金が不当に安く設定されている」と国会で指摘されたこともあり、国土交通省は適正な修繕積立金額についての検討を進めています。今後の管理費と積立金がどう推移するのか注目されます。

 

マンションサポートちよだmini第8号(2011.2月発行)掲載
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