犯罪への不安40%のマンションで表札なし マンションコミュニティ研究会が調査 《マンション管理 最近の動向vol.28》
犯罪への不安40%のマンションで表札なし
マンションコミュニティ研究会が調査
マンションコミュニティ研究会が、全国のおよそ600のマンションについて調べた結果、玄関に表札を出していない住戸が「半数程度」というマンションが13%、「3分の2程度」が9%、「ほとんど出していない」が15%で、「表札を出していない住戸が半数程度かそれ以上ある」というマンションが全体の40%近くありました。郵便受けについても名前を表示していない住戸が半数程度か、それ以上あるというマンションが30%以上ありました。
表札を出していない理由は、「犯罪などに利用されるのが不安」が35%と最も多く、次いで「周りの人が出していない」が19%、「面倒で何となく」が18%などです。
一方、表札を出していないことで「荷物や郵便の誤配が多い」「誰が住んでいるのか分からず不安」「届け物やあいさつに行きづらい」といった課題があることも分かりました。
研究会代表の廣田信子さんは「不安な気持ちも分かり、表札を出すことを強制できませんが、マンションの住民どうしが交流する機会があれば、表札も出しやすくなるし、表札を出すことでコミュニティも築きやすくなると思います」と話しています。
建物解体に加えて一括売却も可能に
被災マンション改正の検討が進む
被災マンション法の改正を検討している法制審議会(法相の諮問機関)の被災関連借地借家・建物区分所有法制部会(部会長=山田誠一神戸大教授)は、区分所有者の8割以上の同意で取り壊しを可能にすることに加えて、建物を解体しないで敷地と一体で売却する方式の検討も進めています。
現在は被災して一部滅失したマンションの取り壊しには、所有者全員の同意が必要ですが、将来発生する恐れがある首都直下型地震や南海トラフ地震などに備え、被災マンションを迅速に処理できる制度が求められています。
法改正が実現すると、取り壊しの決定が容易になり、大破した建物が危険な状態で放置されるのを防ぐほか、土地を売ったお金を所有者間で分配することで、生活再建が進みやすくなります。宮城県マンション管理士会によると、東日本大震災で被災したマンションのうち、所有者全員の同意を経て取り壊しができた建物は宮城県内で5棟にとどまっています。被災したマンションの選択肢が増えることで、遅れがちの復興に弾みがつくことも期待されます。
マンションサポートちよだmini第28号(2012.12月発行)掲載
(PDFでお読みになりたい方はこちら)
千代田区マンション理事長連絡会
マンションサポートちよだmini(旧:マンション通信ちよだmini)はマンション理事長連絡会の会員に送付している情報紙です。マンション理事長連絡会に入会いただきますと、最新号をお送りいたします。