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マンション管理 最近の動向
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深刻な高経年マンションの漏水事故 損害保険に加入できない場合も《マンション管理 最近の動向vol.48》

マンション管理士 飯田太郎 氏

深刻な高経年マンションの漏水事故
損害保険に加入できない場合も

 マンションは築年数の経過とともに劣化が進みます。なかでも劣化のスピードが速いのは給排水設備で、漏水事故も多くなります。損害保険会社の調べによると損害保険の支払対象となる事故の大半は漏水によるものですが、築年数が経つと事故が顕著に増えています。このため共用部分にかける損害保険料にも築年数によって差をつけ、新築時に比べ築15年で2倍、築30年になると3倍以上になるのが普通です。高経年マンションの保険金の支払いが経営を圧迫するとして、保険の加入自体を断わる保険会社もあります。
 その一方で、無事故のマンションの保険料を割り引く対応をする保険会社もあります。維持管理の良し悪し、特に給排水設備のメンテナンスの実施状況によって保険料に差をつけることも検討されています。
 今後、築年数が経過するマンションが多くなるなかで、万一に備える損害保険はますます重要になります。有利な条件で保険に加入するために、区分所有者や居住者の皆さんの自覚と努力も求められるようになります。

一括受電サービスに続々参入
東京電力も攻めの姿勢に転換

 2016年に実施予定の電力小売りの全面自由化をにらんで、マンション全体で電気を一括購入して料金負担を軽減する「高圧一括受電サービス(一括受電)」が広がりを見せています。独立系の新電力会社の他、長谷工、野村不動産、大和ハウス等のデベロッパーが専門会社を設立、KDDIやソフトバンクも参入を発表しました。
 こうした動きに対抗して東京電力も従来の方針を変更し、大手電力会社としては初めてマンションの玄関やエレベーター、廊下など、共用スペースの電気料金を割安にするサービスを始めます。東電管内には既存のマンションが約300万戸ありますが、このうち約3%が一括受電サービスを利用、新規供給マンションの場合は約40%に達するといわれているだけに攻めの姿勢に転じたものと思われます。
 一括受電サービスの導入により共用部分の電気料金が20%から40%削減できるといわれるだけに、今後、ますます各社による競争が激しくなることでしょう。

 

マンションサポートちよだmini第48号(2014.8月発行)掲載
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