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マンション管理 最近の動向
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管理組合役員向けの賠償責任保険 役員のなり手不足解消に期待《マンション管理 最近の動向vol.62》

マンション管理士 飯田太郎 氏

管理組合役員向けの賠償責任保険
役員のなり手不足解消に期待

  各地のマンションで管理組合役員のなり手が少ないことが問題になっています。まちみらい千代田が実施した「平成25年度千代田区分譲マンション実態調査」でも3割近いマンションが「役員のなり手がない」と回答しています。
  役員になりたくない理由の一つとして、区分所有者や居住者から訴えられることへの懸念もあるようです。こうした役員就任にともなうリスクに備えて大手管理会社D社が保険会社と協力し、「マンション管理組合役員向け賠償責任保険」の取り扱いを開始しました。同社が管理受託をしているマンションの管理組合役員が、管理規約に定める業務に起因して法律上の損害賠償請求を受けた場合に被る損害を補償するもので、組合員名簿を落とした理事長が、区分所有者から個人情報を漏えいしたとして、損害賠償を請求されることなども補償対象になります。保険料は管理組合の規模により異なり、50戸以下の場合は年間2万円、支払限度額は500万円です。こうした保険が役員のなり手不足解消の一助となることが期待されます。
※管理組合が支払った町内会費の返還を求める等の訴訟例があります。

大手不動産会社分譲のマンションで建物が傾く
懸念されるマンション市場への影響

  横浜市で大手不動産会社(MI社)が分譲したマンションの建物が傾き大きな問題になっています。まだ真相の解明が行われている段階で今後の展開は分かりませんが、三大不動産会社の別の2社が分譲したマンションでも、昨年重大な施工ミスが発覚しマスコミで大きく取り上げられたことを覚えている方も多いことでしょう。
  問題が顕在化したのはS社が横浜市内で2003年に分譲したマンションでした。5棟のうち2棟で基礎杭が支持地盤に届いていないことが判明、1棟は傾きが顕著なため全56世帯が仮住居に転居し、建替え検討中とのことです。
  また昨年春、MB社が港区で分譲したマンションで完成直前に配管の施工ミスが判明、販売を中止しました。引き渡し前だったことから、施工会社の任で建替えることになっています。
  現在、千代田区内のマンションでは、こうした問題が起きていませんが、社会信用が高く最強のブランド力を誇る最大手3社が分譲したマンションで大きな問題が相次いで発生したのは本当に残念なことです。今後のマンション市場に影響が出ることが懸念されます。

 

マンションサポートちよだmini第62号(2015.10月発行)掲載
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