超高層マンションの固定資産税と相続税を見直しへ 高層階を増税、低層階は減税へ《マンション管理 最近の動向vol.75》
超高層マンションの固定資産税と相続税を見直しへ
高層階を増税、低層階は減税へ
日本経済新聞によると、政府・与党は20 階建て以上の超高層マンションの固定資産税と相続税の見直しを検討、12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指しています。
現在、マンションの固定資産税や相続税の算定基準となる「固定資産税評価額」は、マンション1棟の評価額を住戸ごとの床面積で割って計算しますから、同じ床面積の住戸であれば階数にかかわりなく税額は同じです。
しかしマンションの新築時の販売価格や中古の取引価格は、高層階と低層階とでは大きな違いがあります。このため富裕層の間で税金が割安な高層階を相続税対策に購入する動きが広がっていると指摘されています。今回の税制見直しは、こうした節税策を封じようとするもので、菅官房長官は10月24日の記者会見で「実際の取引価格を踏まえた固定資産税の案分方法をいま検討している。今後の税制改正で検討する」と述べています。
税制見直しが実施されれば、高層階は税負担が重く低層階は軽くなりますが、適用されるのは2018 年度以降に引き渡される20 階建て以上の超高層マンションで、既存の物件は対象外になる予定です。
※日本経済新聞(2016年10月25日朝刊)を参考にしました。
マンションの収益力が低下
価格上昇が家賃上昇を大幅に上回ったことを反映
新築マンションを投資対象としてみた場合の収益力を判断する目安として「マンションPER」があります。マンションPERは分譲価格が同じ駅圏内の賃料の何年分に相当するかを算出するもので、マンション価格を年間家賃収入額で割った数値です。この数値が小さいほど投資額(購入額)を短期間に家賃収入で回収できることになり、物件の収益力が高いと判断できます。
マンションPERは20を超えると、利回りが5%を割り込むことになり割高とされていますが、民間の不動産調査会社である東京カンテイが発表した2016 年の首都圏の新築マンションの収益力(PER)は28.66でした。2002年に調査を開始してから最も低い水準、つまり投資回収までの期間が最も長くなっています。マンション価格の上昇幅に比べて賃料上昇が鈍いためで、マンションの平均価格(70㎡換算)は5,998万円と前年と比べ10.3%上昇したのに対し、平均賃料(70㎡ 換算)は月額17 万5,551円と5.3%の上昇だったことによるものです。
※東京カンテイの資料は
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/89PER_shuto.pdf
マンションサポートちよだmini第70号(2016.11月発行)掲載
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