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千代田ビジネス大賞の物語り

01

中小企業の価値に
新たな視点を

千代田区には現在、約35,000の中小企業が存在する。
その中には、ユニークな取り組みを行っている企業も数多くある。
しかし、大手企業と違いコマーシャルや広告で宣伝する機会のない彼らは、
その斬新なビジネスモデルを広くアピールできないでいた。

中小企業それ自体にもっと注目が集まれば、
千代田区だけでなく全国区にまで名を広められるのではないかー。

これまで、中小企業の支援事業に尽力してきた「まちみらい千代田」。
しかし、中小企業の注目度に関しては盲点だった。
そこで「千代田区の中小企業の育成と活性化」を掲げ、
中小企業に新たな価値を見出そうと「千代田ビジネス大賞」を立ち上げる。

第1回目が行われたのは6年前の平成20年。
今年、7回目を迎えようとしている千代田ビジネス大賞の物語りー。

02

貢献性・革新性・戦略性
企業に求める3本柱

千代田ビジネス大賞は、毎年7月中旬から募集が始まる。
ここ数年の応募社数は平均して20~30ほどだという。

応募のあった企業が条件を満たしているか、チェックするポイントは大きく分けて3つ。
「社会経済への貢献性」「革新性のあるサービス」「戦略的な企業経営」ー。
もちろんこれには業績が伴わなければならない。

書類審査を通過した企業の社長には、2次審査として中小企業診断士によるヒアリング調査を行う。
各企業を訪れ、面談を終えて戻った診断士たちは一同に会し、一日かけて各企業の特徴や優れた部分、
乏しい部分をあげてプレゼンを行う。
合議制でチェックポイントに得点をつけていき、受賞にふさわしいと思う企業をピックアップしていく。

ピックアップした企業は次に、諮問委員会にかける。
諮問委員会は、経済産業省関東経済産業局、東京都中小企業振興社、
東京都立産業技術研究センターなどからなる。
これを通過したのち、最終的には理事長が受賞企業を決定する。

中小企業診断士との面談は、経営の参考になるアドバイスが受けられるため、企業のメリットにもなっている。
過去に受賞歴のある某企業の社長は言う。
「普段は忙しくて自社を客観的に見ることはないが、診断士とのやり取りで経営理念を改めて見つめ直したり、
当初掲げていた目標を振り返ることができる。そういう意味で、初心に戻れるのは大変意義がある」

03

まちみらい千代田の奔走
表彰式に向けてー

こうして受賞企業が決まると、休む間もなくまちみらい千代田は表彰式に向けて動き始める。
あくまで主役はエントリー企業だ。まちみらい千代田は会場づくりなどの裏方に徹する。

各エントリー企業の製品やパンフレットを披露する展示会場を設けたり、
直接のビジネスマッチングにはつながらないまでも積極的に名刺交換をしてもらえる場づくりに
努めたり、といったところだ。
出席者の配置ひとつとってもぬかりはない。互いに会話が
しやすいようにと、向かい合わせに座ってもらう。
とにかく企業間の交流を図ろうと、
細かなところまで配慮を怠らない。

年々知名度は上がっているとはいえ、まだまだ応募企業が
少ない千代田ビジネス大賞。
まちみらい千代田の企画総務グループでマネージャーを
務める加藤英明氏は、「もっとアピールしていきたい」と話す。
今は、まちみらい千代田発行の「まちみらいニュース」や
千代田デイズでの告知、歴代の冊子を企業に配るなどして
賞の存在を広めている。

04

受賞企業が誇る
ユニークな取り組み

厳正な審査を経て受賞に至った企業は、
さすがに今振り返ってもユニークな取り組みが目立つ。

現在、千代田図書館の9階の展示ウォールには、
歴代の大賞受賞企業の事業をパネル展示してあり、
そのビジネスモデルが受賞のポイントとともに紹介されている
(「千代田ビジネス大賞受賞企業展」10月25日まで)。

たとえば第1回目の大賞に輝いた黒田機器株式会社。
ここは、17メートルにも及ぶシャフトがつくれる日本で唯一の
メーカーで、受賞後にはISO9001の認証を取得するなど、新た
な取り組みにも積極的である。

第2回目の大賞企業である株式会社ポポンデッタは、
鉄道模型を趣味としていた税理士が社長となって立ち上げた会社。
当初は中古販売店を各県に展開していたが、今や鉄道模型が店内
を走るカフェをイオンモール幕張新都心にオープンするまでになっている。

コマーシャルを流すまでに成長したクラウド名刺管理サービスの
Sansan株式会社は、第2回特別賞を受賞。
その成長発展はとどまるところを知らず、現在はオフィスが手
狭になり、広いオフィスをもとめ他区へと移転することとなった。
千代田区としては少々残念だが、産業まちづくりグループの尾崎
氏は「また新たなSansan(のような企業)が千代田に生まれて、
大きく成長してくれれば」と期待する。

05

目に見えて変わった
社員のモチベーション

千代田ビジネス大賞は、中小企業にとってどのような意義があるのだろうか。

ある受賞企業の社長は、社員のモチベーションが受賞後、目に見えて変わったという。
自分たちのやってきたことが賞という形で認められれば、一層のやる気につながり、
企業のさらなる発展が期待できる。

各受賞企業に1,000部ずつ配布する千代田ビジネス大賞の冊子も、企業からの好評を得ている。
自社の取り組みを宣伝するツールになると同時に、他社の取り組みを知ることができるからだ。
また、採用の面でも一役買っている。「行政に近い機関から表彰された優良な企業」という
アピールになり、学生からの信用度を高めることができる。

賞をとる企業というのは、そもそもが「きちんとしている」と尾崎氏は言う。
「受賞企業の展示会に取材に行くと、私たちが千代田ビジネス大賞のまちみらい千代田であることを
すべての社員さんが把握している。
普段からしっかりとトップダウンができている会社なのだろう」と感心する。

06

中小企業と起業家を
支援し育てる

まちみらい千代田の願い―
それは、千代田区の中小企業のますますの成長、発展である。

規定が整備されていない中小企業を応援するために、まちみらい千代
田はさまざまな仕組みを考えている。
東京都中小企業振興公社と連携で行っている専門家派遣事業もそのひとつ。
企業の抱える問題を解決するために、経営や情報技術の専門家を直接
企業に派遣するのだ。 また、無料法律相談の実施も近く控えている。

もうひとつ、企業の活性化も忘れてはいない。
飛躍的に成長を遂げ、Sansanのように千代田区を巣立つ企業がある
一方で、多くの起業家に千代田区で会社を興してほしい、それがまち
みらい千代田の願いでもある。

昨今、起業から3年を待たずして倒産してしまう企業が約3分の1
にも及ぶという。
起業10年、と聞くと若い企業のように思いがちだが、実はそれだけ
継続できているのは極めて優秀な証拠なのだ。
まちみらい千代田は「千代田ビジネス起業塾」を実施し、起業家たち
の支援にも取り組んでいる。

千代田ビジネス大賞は、有識者からの評価によって自社を見つめ直し、
課題を洗い出すという意義がある。 賞をとること、
それ自体が目的ではなく、「成長と発展」、その目標を
叶えるための通過点なのかもしれない。

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第7回千代田ビジネス大賞募集!
エントリーはこちらから入手できます。締め切りは平成26年9月30日(火)。
https://www.mm-chiyoda.or.jp/business/biz-prize.html

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千代田ビジネス大賞受賞企業展
千代田図書館9階 2014年7月28日(月)〜10月25日(土)
第1回〜第6回までの大賞、第3回以降の千代田区賞を受賞した10社の取り組みをパネル展示。
各企業の代表者がリコメンドするビジネス書や、事業戦略の参考になる本なども併せて紹介している。
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20140707-13823/

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