平成23年度 第4回千代田ビジネス大賞 表彰式開催報告
平成24年2月22日(水)、ちよだプラットフォームスクウェアにて、第4回千代田ビジネス大賞の表彰式が開催されました。
23社の企業から応募があり、厳正な審査により、大賞1社、千代田区長賞1社、東京商工会議所千代田支部会長賞1社、優秀賞1社、特別賞2社が表彰され、賞状と記念品が贈られました。
受賞企業は下記のとおりです。
大 賞(1社) | フジ産業株式会社(現:株式会社アミファ)(経営革新部門) |
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千代田区長賞(1社) | 三喜産業株式会社(環境貢献部門) |
東京商工会議所千代田支部会長賞 (1社) |
ゴージョージャパン株式会社(安全安心部門) |
優秀賞(1社) | 伊藤忠丸紅スチールAP株式会社(環境貢献部門) |
特別賞(2社) | 株式会社オープントーン(ニュービジネス部門) 株式会社箸勝本店(文化伝統部門) |
受賞企業の評価ポイント
【大 賞】
フジ産業株式会社(現:株式会社アミファ)(経営革新部門) HP(https://www.amifa.co.jp/)
● 受賞企業紹介
「“心豊かな暮らしを応援”して38年のラッピング・雑貨製造卸売会社」 フジ産業株式会社 代表取締役 藤井愉三社長 |
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福井の産元として創業
創業者藤井昭三氏(現社長の父)は福井に育ち、産元商社(繊維の「産地」にある「元請け」の「繊維専門商社」)の東京支店長として上京。その後昭和48年に独立開業し、北陸産資材織物の加工販売が主力でした。
中元・歳暮ギフトの法人需要が盛んな頃にサテン布地をウイスキー贈答箱の美粧緩衝材として使用することが流行し、大手の化粧箱メーカーへ数多く納入することで会社の基盤を作りました。 -
会社が危ない
しかし、その後包装簡素化、虚礼廃止、法人需要の減退とともに売り上げも一進一退に。現社長が後を継いだのは丁度その頃。「法人ギフトに頼っていては会社が危ない」と悩んでいるとき、ちょうど台頭期にあった100円ショップに立ち寄りラッピング商品を見て「これだ!」と思い立ちました。「御用聞き型包装資材屋」から「オリジナル製品メーカー」へと脱皮する機会となったのです。 -
すべてをお客様のために
包装資材販売で得た「川上」の経験と、消費財メーカーとして「川下」に近い経験、この両方がコスト競争力、製品開発力の源泉となり、今では毎年300近くの新商品を生み出すまでに。嗜好品メーカーとして当然の、お客様が喜ぶモノ作りをただひたすら追求していると、売り上げや利益も不思議と右肩上がりになっていきました。「利他の心」とはこのことか、と今さらながら実感しています。 -
創造力こそが付加価値
付加価値の源泉は社員の創造力だと考えています。「機械(IT)で出来ることを仕事と呼ばない。人は人だけが出来る創造力を使おう」と社員に事あるごとに訴え、単純作業を極力無くす努力をしています。受発注、売上・在庫予測、新商品企画から海外送金まで、管理システムの殆どを自社で作り顧客のシステム変更にも素早く対応します。今は、日本や先進国で製造する高品質で安心なブランドを、秋に立ち上げるために力を注いでいます。会社が今持てる力総てを出して作る新ブランドを、世界へ向け発信したいと考えています。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no85.pdf)
● 評価ポイント
- 主力商品の化粧箱用サテンの需要が激減し、企業存続の危機に直面する中、成長過程にあった100円ショップ業態との取引にビジネスチャンスを見出し、再生を果たしたこと。
- お客様に感動と目新しさを提供するため、毎年、ラッピング・リボン・ブリザードフラワー等商品の半数を更新し、業界での競争優位性を確立していること。
- 越前和紙を素材とした新商品を開発し、欧米市場等海外への進出も視野にいれていること。
- 企画・見積・海外発注システムの独自開発により、業務の迅速化とローコスト経営を実現し、盤石な経営基盤を確立したこと。
【千代田区長賞】
三喜産業株式会社(環境貢献部門) HP(http://www.mikisangyou.co.jp/)
● 受賞企業紹介
「環境で社会に貢献する新事業を展開」 三喜産業株式会社 代表取締役 青木義治社長 |
空調、産業資材等の開発・販売を行う三喜産業株式会社は、環境の変化や顧客ニーズに適応し、自社の強みを踏まえた製品・技術の開発に乗り出すなど、環境保護に配慮し、資源循環型社会の実現に貢献する新事業を展開している点が評価され、千代田区長賞を受賞しました。
みんなが喜ぶ仕事をする「三喜産業」という社名には、企業活動の根本は「喜び」であるという考えのもと、商品を使う人、扱う人、作る人、みんながともに喜びを分かち合える仕事をすることを経営方針とし、この精神を広く社会に理解していただきたいという思いが込められています。その社名の通り、卸売業としての創業以来一貫して社会に対する高い志を持ち続け、設立当初からの目的である「快適な生活環境の創造」に忠実な商品開発、技術開発に取り組んでいます。
企業の環境貢献活動を強力に支援産業用・ビル用空調設備の使用済みフィルタの効率的なリサイクル、省エネ効果の高い空調設備やLED電球といった「エコ製品」の開発と計数化に基づいた導入の提案、改正省エネ法に対応したCO2排出量取引のアドバイス等、企業の環境貢献活動に対する充実したサポートは多岐に渡り、更なる発展が期待されます。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no86.pdf)
● 評価ポイント
- 商品を使う人、扱う人、作る人が喜びを分かち合う~三喜産業、という社名の通り社長を中心に、社会に対する高い志を持ち続けていること。
- 設立以来50年以上に渡り、「快適な生活環境の創造」という設立当初の目的・理念を忠実に事業を営み続けていること。
- 卸売業として創業した後、自社商品・技術開発に乗り出すなど、戦略性の高い経営判断を下しながら、環境の変化や顧客ニーズに適応し続けていること。
- 使用済み空調フィルタのリサイクルおよび、LED電球の開発という環境変化と自社の強みを踏まえた環境貢献を理念においた、環境に配慮する新事業を展開していること。
【東京商工会議所千代田支部会長賞】
ゴージョージャパン株式会社(安全安心部門) HP(http://www.gojo.com/japan.aspx)
● 受賞企業紹介
「手指の衛生を通して健康な社会づくりに貢献」 ゴージョージャパン株式会社 代表取締役 弘末公洋社長 |
水のいらない消毒剤を医療現場等と連携し、「一処置一消毒」を徹底するための工夫・改善を続け日本市場で大きなシェアを獲得するとともに、学校現場での「手指消毒」の啓蒙活動を推進し安全安心な社会づくりにも貢献している点が評価され、東京商工会議所千代田支部会長賞を受賞しました。
当社は1997の設立来15年間、米国ゴージョーインダストリーズ社の60年以上の手の衛生管理・スキンケア分野の経験と蓄積されたノウハウを活かして企業活動を行ってきました。
「ピュレル」ブランドにより世界70か国で愛用されているジェルタイプの手指消毒剤を始め、汚れや用途に応じた様々な手洗い用せっけん、またディスペンサーなど現場とプロに支持される革新的な製品を提供しています。
特に当社の手指消毒剤は、日本で最初のジェルタイプの製品であり、病院や製造現場はもちろん、現在では官公庁、商業施設、オフィス、フードサービス、学校など、職場や公共の場で安心・安全をお届けしています。
当社は、製剤のみならずディスペンサーとの組み合わせによるシステム化や、使用方法・使用場所等のソフト面のツールを通じてお客様に「感染予防のしくみ」をご提供しております。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no86.pdf)
● 評価ポイント
- 病気の感染管理先進国であるアメリカ本社が開発した水のいらない消毒剤を、日本の医療現場等と連携し「一処置一消毒」を徹底するための工夫・改善を続け、日本市場で大きなシェアを獲得したこと。
- 近年、子供たちに手指衛生習慣を教えるため、大学教授・研究機関と連携して学校現場で「手指消毒」の啓蒙活動を推進し、病気にかかりにくい安全安心な社会づくりに貢献していること。
- 基本戦略に基づく部門計画を作成し、マネジメントサイクルを回し、達成状況を評価に活用するなど社員のやる気と成果を引き出す仕組みをつくっていること。
【優秀賞】
伊藤忠丸紅スチールAP株式会社(環境貢献部門)
HP(http://www.st-benichu.com/)(2013年10月合併により「紅忠スチール株式会社」へ)
● 受賞企業紹介
「かけがえのない地球環境を守り、人間社会の持続可能な発展に貢献」 伊藤忠丸紅スチールAP株式会社 代表取締役 倉橋充社長 |
伊藤忠丸紅スチールAP株式会社は、「環境方針」を公開し、環境配慮型の商品(屋根遮断シートなど)を取扱いこれまで普及していない環境問題(電力不足問題)に貢献する商品・サービスの普及を促進させ、市場の活性化を目指しています。
これらの商品・サービスの普及が消費電力の削減につながり、環境問題、特に直近の電力問題に今後大きな貢献が期待されることから優秀賞に相応しいと評価されました。
私ども、伊藤忠丸紅スチール株式会社は、伊藤忠丸紅鉄鋼グループ国内29社、海外31社の連結事業会社のなかで、鉄鋼薄板建材製品およびそれに関連する環境配慮商品を取り扱い、その施工を行うグループ中核の一翼を担う会社です。私たちは鉄鋼製品、環境配慮商品を取り扱うなかで、常に未来の社会を思い描きながら、私たちの子供、孫の時代に、人々の暮らし、社会の構造、日本のものつくりの現場がどう変化していき、それにどう貢献していけるのかを、考え続けて行動していきたいと思います。
当社の主力商品は薄板建材及び自動車・家電業界を除く薄板ですが、数年前より新しい商社機能をめざし た工事機能を有する形態、さらにはこれに環境配慮型商品を加え、「冷えルーフ(夏は遮熱・冬は保温)」、「ソーラマスター(太陽光集光)工事」、「アクアウインド(気化式涼風装置)」などに取り組んでいます。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no87.pdf)
● 評価ポイント
- 「環境方針」を公開し、環境対応を軸とした事業活動を行い、冷えルーフ(屋根遮熱シート)、涼風fan・移動オアシス(環境配慮型冷風機)、ソーラマスター(太陽光照明)などの環境配慮型の商品を取り扱っていること。
- これまで普及していない環境問題(特に直近の電力不足門題)に貢献する商品・サービスの普及を促進させ、同商品を取り扱う他社への波及効果をもたらし、市場を活性化させていること。
- これらの普及が消費電力の削減につながり、環境問題、特に直近の電力問題に貢献すると考えられること。
【特別賞】
株式会社オープントーン(ニュービジネス部門) HP(http://www.opentone.co.jp/)
● 受賞企業紹介
「中小企業でも1万円以下で使える勤怠管理システムを提供」 株式会社オープントーン 代表取締役 佐藤大輔 社長 |
オープントーンとは
インターネットを利用したソフトウェア開発・運用を通して「世の中の業務(=お仕事)を改善し、社会に対して貢献する」をテーマにしています。また、様々な分野の事業活動に対して世界的なSI企業と同レベルのソリューションを中小の価格と小回りのきいたサービスで10年に渡り提供してまいりました。より高品質なソリューションをより低価格で提供する事によって多くの企業の業務を改善し、新事業を創出するための手助けを行う事を企業のミッションとしております。
「IC タイムリコーダー」とは
「簡単」「便利」「低価格」をコンセプトに、数名からご利用いただける中小企業向けのクラウド型勤怠管理システムです。IC リーダ(約3,000円)とICカード(スイカ、電子マネー等)をご用意いただければ初期費用は無料で1ID:150 円(税別)で手軽に始められます。既存の勤怠管理システムよりも大幅に低価格で導入出来るサービスである為、これまでIT化が出来なかった小・零細企業の労務管理を大幅に効率化することが可能になります。低価格ではありますが機能やサポートが充実しており、また、業種業態は問いませんので、社労士といった士業様から、製造業、飲食店、小売業でもご利用いただいております。
中小企業のビジネスパートナーとして千代田区より業務の効率化に貢献していきます。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no87.pdf)
● 評価ポイント
- 2003年設立以来、受託システム開発会社としての評価は高く、金融機関、大学など広範な業種に対して基幹システム、業務システムの開発を行っていること。
- 新製品の「ICタイムレコーダー」は、Suica、PASMOなどの ICカードをかざすだけで、出退勤が記録・管理ができるクラウド・サービスである。また、初期費用は無料、1人あたり月額 150円からという低コストで利用可能な中小企業にも手の届く勤退管理システムであること。
- 東日本大震災の被災地である石巻市から2名の新入社員を採用するなど、社会貢献に対する意識もあること。
【特別賞】
株式会社箸勝本店(文化伝統部門) HP(http://www.hashikatsu.com/)
● 受賞企業紹介
「いいお箸で美味しいお食事を」 株式会社箸勝本店 代表取締役 山本権之兵衛 社長 |
株式会社箸勝本店は、宮内庁御用達の箸専門店です。国内のみならず大使館や海外の日本料理店に販売することで日本文化をPRしています。間伐材や端材を活用することで森林環境保護にもなります。今後も日本の伝統文化のさらなる継承が期待できることから、特別賞に相応しいと評価されました。
株式会社箸勝本店は、明治43年設立以来「国産」の「割り箸」に特化し、むやみに拡大戦略をとることなく、本当に良い物だけを地道に専門分野として究めたことで宮内庁御用達となりました。
お箸の良し悪しは、料理の味を左右すると言っても過言ではありません。お箸は、食事の際、フォークやナイフと比べ、唇や歯や舌に直に接触する率が高いからです。
一流の味、本物の味、料理の内容にこだわれば、直接、そのお料理を口に運ぶお箸にも、こだわりが生まれてくるように思います。最近は、コンビニ弁当や立ち食いや激安料理店で安く食事を済ます傾向にあり、お箸も、外国製でささくれが多く、折れ易く、鼻につくような臭いさえある粗末な箸が目に付きます。食事が、ただ食べられればいい、箸は、ただ使えればいいでは、食事の楽しみは半減してしまうのではないでしょうか?
ただ食べるのではなく、美味しい物を、美味しく食べて、豊かな気分になりたい。
一期一会という言葉がありますが、食事もまた、一期一会です。一度一度を大切にしたい。
「いいお箸で美味しいお食事を」というのが私共の願いです。
企業紹介記事掲載まちみらいニュース
(https://www.mm-chiyoda.or.jp/wp-content/uploads/2015/10/news_no88.pdf)
● 評価ポイント
- 明治43年設立以来「国産」の「割り箸」に特化し、日本古来のお箸文化を継承する数少ない企業で、むやみに拡大戦略をとることなく、地道に専門分野に特化し究めていること。
- 昭和25年に宮内庁御用達となり、皇居賢所神箸・新年祝賀儀式用箸・陛下の御白箸・黒文字楊枝などを上納。杉・桧箸の御用達業者では唯一であること。
- 大使館や海外日本料理店にも販売して日本文化をPR、本当に良い物だけを取扱い、独自のブランド力を持っていること。
- 間伐材や端材を活用し森林環境保護に一役買っていること。